きょういくじん会議
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理科の授業に一役買う? 透明金魚の誕生
kyoikujin
2010/1/20 掲載
身近な動物を使った実験〈1〉ホヤ・メダカ・ゼブラフィッシュ・キンギョ・カエル

 このブログを読まれている方の中には、昔、理科の授業でカエル、あるいはフナの解剖をしたことがある方もいらっしゃると思います。
 しかし最近では、動物愛護の観点から解剖実験はあまり行われなくなりました。その代わりとして、コンピュータのシミュレーションで生き物の体のつくりを調べたりはしますが、なかなか本物に勝るものはありません。

透明な金魚!?

 そんな中で、昨年の12月14日の朝日新聞の記事によると、透明な金魚が三重大と名古屋大の共同研究の中で生み出されたというニュースがありました。
 この金魚は、色が薄い金魚をかけあわせ交配をくり返し、3年がかりで生み出されたそうです。うろこが透明なので、内臓や血液のめぐりなどを解剖することなく、生きたままでの観察が可能です。
 これまで、ゼブラフィッシュといわれる透明な魚や、メダカが実験などに用いられていましたが、体が小さいので、臓器の観察などにはあまり向いていませんでした。
 透明なこと以外は普通の金魚となんら変わりないそうで、体も2キロぐらいまで大きくなり、寿命も他の金魚と変わりないそうです。なので金魚が成長することで臓器の大きさの変化なども、飼育しながら観察できるそうです。
 色の薄い金魚は、金魚として価値の低いものでしたが、それを逆手にとって透明の金魚を生み出すとは、とてもすばらしいアイディアです。

実は僕だって透明

 透明な生き物は、この金魚が初めてかというとそうではなく、実は2007年に透明なカエルが広島大学で生み出されていました。2007年9月27日のAFPBB Newsの記事で紹介されています。そして現在、研究用やペット用に販売できるように大量生産に取り組んでいるようです。(ちなみにお値段は一万円以下とか。)
 カエルですと、オタマジャクシからカエルになる変態の様子も観察できますし、卵子の様子なども観察可能そうです。

これからの教室では

 平成24年度から完全実施される中学校理科の新指導要領では、イカなどの無脊椎動物の解剖実験が、授業の中で扱われる内容の例としてあげられています。
 脊椎動物の解剖は行うことはあまりないかもしれませんが、解剖しなくても体内のようすが観察できる、透明な金魚やカエルは面白いものではないでしょうか。
 一般にも手に入りやすくなったら、理科の勉強もかねて飼育してみたいものですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2010/1/21 17:42:02
    透明金魚、凄いですね。動画とか公開されていないんでしょうか。ぜひ見てみたいです。
    • 2
    • 金魚屋
    • 2010/1/22 19:47:38
    You Tubeに透明金魚動画、upしました。
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