きょういくじん会議
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アンケートから考える子どもへの接し方、叱り方
kyoikujin
2010/4/26 掲載
子どもの上手な叱り方・下手な叱り方―親が変われば、必ず子どもも変わります

 突然ですが、お子さんが身近にいらっしゃる方にお聞きします。最近叱ったことはありますか。以前にした喧嘩はいつでしょうか。
 17日の日経PLUS1には、3月下旬に小学5年から中学3年までの男女200人を対象に「『親に直してほしい』と思うこと」を調査した結果が載っていました。

 ランキングの5位までは以下の通り。

1位 今始めようとしていることについて「早く始めなさい」などと言う

2位 一度終わった説教話をしつこく繰り返す

3位 機嫌が悪いときに子どもに八つ当たりをする

4位 自分の意見ばかり通して、人の意見は聞かない

5位 自分のことを棚に上げて人には要求したり禁止したりする

 いかがでしょう。いくつも思い当たるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。頭ごなしに「早く」という言葉をあまり使ってはいけないとは思っていても、思わず使ってしまいますよね。

 同新聞の記事には、お茶の水女子大学大学院教授の菅原ますみさんの言葉が載っていましたが、ランキングの結果は、「健全な成長段階にあるという喜ばしい証」とのこと。子どもたちは一人前になりたい、親に認められたいと思っているので、親に子ども扱いされることが嫌なのでしょう。また、大人が上手に叱ることができていないために子どもがかえって反発してしまっているようにも思います。

 一方で、叱れない親が多いという話もよく聞きます。以前のきょういくじん会議の記事でもとりあげましたが、万引きをしても子どもを叱らずに親が謝ったり、訴えたお店のせいにする、学校でも同じように子どもを注意した先生に逆ギレするなど、子どもの言いなりになる保護者が増えているというのことも問題だと思います。

 子どもの叱り方、ほめ方について書かれた書籍も多く書店に並んでいますが、これも叱り方に自信がない、子どもをどうほめたらいいか分からない保護者が増えていることのあらわれとも言えるのかもしれません。あまりしつこく叱りつけたり、子どもの自主性をそぐ叱り方はよくないのかもしれませんが、子どもに煙たがられてもやっぱり叱ってあげることは必要なのではないかと思います。

 とは言え、子どもの神経を逆撫ですることなく、「上手に叱る」というのはなかなか難しいですが、冒頭のランキング結果に解決のヒントは隠れていそうです。感情的に怒鳴ったりしない、子どもの存在を否定するような言葉を使わない、いつまでも引きずらない、など注意すれば、同じように叱ったり、接したりしたとしても子どもは嫌な気持ちにならないのではないでしょうか。子ども扱いするのではなく、大人より立場が弱いからこそ、子どもに寄り添ってあげることが何より大切であるような気がします。

 お子さんがいらっしゃる保護者の方はもちろんですが、職場等上下関係のある場所での叱り方、接し方は気になるところですよね。案外、冒頭のランキングも、「上司になおしてほしいこと」に置き換えられる事柄が多いように思います。ご家庭でも、職場でもお互い気持ちよく過ごすことができるように、ちょっと気をつけてみるとよいかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2010/4/30 17:10:54
    1位に納得。
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