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「カラーユニバーサルデザイン」という言葉をご存知でしょうか。5月24日の朝日新聞には、23年度の小学校新教科書におけるカラーユニバーサルデザインの広がりについての記事がありました。
ユニバーサルデザイン
「ユニバーサルデザイン」については、教育現場でもしばしば耳にするようになったのでご存知の方も多いと思います。その定義は、簡単に言うと、できるだけ多くの人に使いやすいデザインであるということです。特別支援教育の場面で語られることが多いですが、障がいのあるなしに限らず、すべての人にとってわかりやすく、安全で、自由なデザインを目指しているというのがユニバーサルデザインの特長です。
23年度の教科書改訂で、いくつかの教科書会社が取り組んでいる「カラーユニバーサルデザイン」とは、色の見分けがつきにくい人にも情報がしっかりと伝わるデザインのことを指します。色弱の人は日本に300万人以上いるといわれています。子どもたちの意欲を高めるためと、カラー化の進む教科書ですが、逆にそのために困ってしまう子どもたちもいるのです。各教科書会社は、そのような色覚の異なる子どもたちがつまづきにくいように、様々な配慮をしているようです。
新教科書では
具体的にどういった配慮があるかというと、まず、色の見分けがつきにくいとされる色を使わないこと。色弱の子どもたちにとって赤と緑、水色とピンク、黄緑とオレンジ、などは、見分けがつきにくいそうです。そのような色をできるだけ避け、識別しやすい配色にしてあります。また、低学年の算数でよく見受けられる、色の違いに頼った問題(赤いものを選ばせる問題や、赤いものと青いものの量を比べる問題など)では、できるだけ色以外の要素でも選択肢を識別できるような工夫をしているようです。東京書籍ホームページの新教科書の紹介のコーナーでは、こういった取り組みについてわかりやすく解説した資料がのせられています。
すべての子どもたちにわかりやすい学びを
誰にもひとしく機会が与えられるべき教育の場において、こういった配慮はとても重要なことです。たとえば、緑の黒板に赤いチョークを使うと、一部の子どもにとって見えづらくなってしまいます。また、算数の勉強なのに、選択肢の色が見えづらいことでつまづいてしまうようなことがあってはなりません。知らず知らずのうちに、子どもたちの学びを妨げるような環境を作ってしまうというのは怖いことです。だれにとってもわかりやすくよい学びをめざすためにも、教育に携わるものとして、ある程度の知識をつけておくことが大切かもしれませんね。
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発言者は東京書籍の関連の方ですか?
東京書籍だけがカラーユニバーサルデザインに配慮している,という誤解を与えてしまったとしたら,申し訳ございません。
カラーユニバーサルデザインに配慮している教科書会社は,もちろん東京書籍だけではないと思います。
CUDのマークを入れている会社もありますし,多くの会社で配慮が見られます。
ただ,東京書籍のホームページに,教科書におけるカラーユニバーサルデザインについてわかりやすく解説した記事がありましたので,ご紹介したまでです。
発言者は東京書籍関連の者ではありません。
記事におきましても,「いくつかの教科書会社が取り組んでいる」と記載しておりますが,配慮が足りず,失礼いたしました。