- 1人1台端末の授業づくり
- 授業全般
私はボウズの会という会に所属?しています。
ボウズ2人が真面目に教育の話をするという会なのですが、偶然にももう1人のボウズ、加固先生が同じタイミングで、Web連載を始めておられます。
今回は1学期に取り組んだ算数の実践を紹介します。加固先生から実践に対して、コメントをいただけるとうれしいな〜と勝手に思っています。
加固先生にこの思い届け!(某青春恋愛漫画のセリフみたいになってしまいました。)
上記のようにネット上でやりとりをするといった「他者とつながる」ことが、子どもたちはより増えていくことでしょう。
他者とつながることが容易になる一方で、難しさもあることが現実としてあります。
(本連載第3回のような問題も起こることでしょう。)
私が10代のときは携帯電話やPHSが主流で、スマートフォンはありませんでした。
しかし、20代前半の先生方は10代のときにスマートフォンや様々なSNSとともに過ごしてきたことでしょう。そこで、楽しかったこともあれば、難しかったこともあることでしょう。
だから、目の前の子どもたちがネット上で他者とつながり、SNSで困っているとき、自分の体験談をもとに話をすることができるかもしれません。体験談をもとに話をしたとき、子どもたちの納得感があがるかもしれません。現在、私は様々なSNSを使用しています。しかし、子どもに響く体験談を語ることはできないかもしれません。
このような話を最近、初任者研修でしました。
話を戻します。
今回紹介する実践は、1年生算数単元「いくつといくつ」で、「10はいくつといくつ」の学習です。
(今回の実践で使用した学習支援アプリは、「ロイロノート・スクール」です。)
授業の流れ
(1)問題提示
最初に、子どもたちに、
「10はいくつといくつでできていますか?」
と聞きました。すると、「1と9」「5と5」……といったつぶやきが聞こえてきました。
そこで、以下のデータを提示し、
「10はいくつといくつでできているか、ペン機能を使って、囲んでごらん」
と言い、データを子どもたちに送信し、個人で活動を行いました。
子どもたちがそれぞれ描いたデータは提出するようにしました。
(この時間は1つだけを考えるとしました。)
(2)考えを交流する・1
全体でどのような考えが出てきたのかを交流する前に、子どもたちが提出したものを全員がみることができる状態にしておき、
「みんなどう考えたか、みてごらん」と言い、時間をとりました。
子どもたちからは、
「ぼくと同じ考え〜」
「あ!この考えもあったのか〜」
「次にこの考えをしようと思っていた〜」
などの声がどんどん出てきました。
そして、大型モニターに自分が描いたデータを映し出しながら、
「わたしは( )と( )と考えました」
と発表を行っていきました。
このとき、私は子どもたちが言ったことを以下のように板書していきました。
このときは以下の4つしか出てきませんでした。
そして、「これで全部出たね」と子どもたちに言いました。すると、
「いやまだあるよ!」
「まだたくさんある!」
「2と4の間にある!」
「5よりおおきいのもあるよ!」
といった声が聞こえてきました。
そこで、「まだあるんだね。じゃあ、もう1度データを送るから、ペンで囲って、提出してごらん」と言い、個人で活動を行いました。
(3)考えを交流する・2
(2)と同様の流れで行っていきました。
まだ、「3と7」「9と1」が出てきていません。
そのことに子どもたちは気づいています。そのため、「まだあるよ〜!」と子どもたちは言っています。
そこで、「残り2つが出ていない」ということを確認し、再度ペンで囲って、提出する活動を行いました。
すると、3回目で「1と9」〜「9と1」まで揃えることができました。
(4)ノートに描く
(3)で終わりではなく、ノートに「ドット図」でまとめていくことにしました。
「みんなで考えたいくつといくつをノートにまとめていくよ」と言い、以下の画像のようにまとめていきました。
この実践では、タブレット上で再現をした数図ブロックを使用しています。
こういったタブレット上の教材・教具をデジタル教材・教具と私は言っています。
(これまでの数図ブロックはアナログ教具と言っています。)
今回はデジタル教具を使用しました。これには意図があります。
アナログ教具と違い、
(1)煩雑さがなくなる
(2)保存しておくことができる
(3)全員に発表ができる
(4)複製することができる
(5)子どもが自由に使用できる
といった良さがあります。
(1)煩雑さがなくなる
数図ブロックを床に落としてしまう子がいます。机の上が整頓できていないため、うまくブロックを動かすことができなかったりしていました。そういったことを解消することができます。
(2)保存しておくことができる
新しい考えをするときには、自分が考えて操作したものをゼロに戻すしかできず、考えの跡を残すことができませんでした。それがデジタルだと残すことができます。
(3)全員に発表ができる
上記の(2)の活動のように全員に発表するときに使用することができます。
(詳細は新刊『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の算数授業づくり』に書いています。)
今回はここまで。(4)と(5)、そしてこの授業の活動のねらいなどは次回に書きます!
次回もよろしくお願いします。