
- 1人1台端末の授業づくり
- 授業全般
前回の続きです。
1人1台タブレット端末実践は長期的に使用することで、本領発揮される
というのが私の主張です。
みなさんは長期的に使えていますか。
苦手でも大丈夫。操作に慣れていなくても大丈夫。
経験を積んでいけば、きっと解決します。
今年はできていなくても、大丈夫。来年度から本格的に行えば大丈夫です。
そんな「大丈夫、大丈夫」と言って、始めたばっかりの私たちの気持ちなんかわからないでしょう!と言われそうなので、私も新たなことに挑戦をすることにしました。
ズバリ、YouTubeです。前回もご紹介した、「樋口万太郎チャンネル」を作成しました。よかったら、こちらから動画を見てください。よかったらチャンネル登録をしてくれると嬉しいです。(YouTubeは銀の盾を獲得するまで頑張ります。)
1年生「くりあがりのあるたし算」の導入場面の実践
さて、話を戻します。
下の画像は、1年生「くりあがりのあるたし算」の導入場面です。
さて、みなさんは、タブレット端末をどこで使用しますか。
是非、一度考えてみてから読み進めていってください。
これは、今年度呼んでいただいた学習会やセミナーなどでも考えてもらいました。
学習会やセミナーでは、
バスに9人乗っており、そのバスに4人の子どもが乗ってくるというアニメーションを見せる
ということを思われる方が多くいました。
この使い方は間違いではありません。
子どもに問題のイメージをもたせるために有効なことです。
しかし、この使い方だと1人1台タブレット端末の必要性はありません。教師用のタブレット端末1台で十分ということになります。これは、これまでのICT活用のイメージです。今回のGIGAスクール構想は、子どもが主語の使い方です。
では、1年生「くりあがりのあるたし算」の導入場面のうちどのような場面で使用したのかを紹介していきます。
(1) 子どもが問題をうつすために使う
まず使用したのは、問題場面です。
子どもたちのノートをPDF化しておき、タブレット端末の中にデータを入れておきます。
そこに、問題を書いていきます。
画面に映っている問題を子どもたちはノートにうつしていきます。
※1人1台端末の授業づくり(6)にも書いています。
これまでの低学年のノート指導は、学校にあるミニ黒板や黒板上に子どもが持っているノートと同じようにマス目を描いたりするといった工夫をして、正しく問題をうつせるようにしてきました。しかし、タブレット端末を使用することで、子どもたちと全く同じものをもとにノート指導を行うことができます。子どもたちはどこにどの文字、数字を書けばよいのかこれまで以上にわかりやすくなります。また、欠席をしている子にそのデータを送信することもできます。低学年向けの取組です。
(2)子どもが答えを求めるために使う
実際の授業では、問題を書いた後、立式しました。
この後、子どもたちは答えを求め始めました。そのときの子どもの様子は、全員同じではありませんでした。
- 暗算・暗記などで答えを求める子
- アナログのブロックを使っている子
- ノートに絵やドットを描いている子
- ここまでの単元で学習してきたデジタル教具を使用している子
- 友だちと相談をしている子
などの姿に分かれました。
※このときのデジタル教具とは、以下の記事で紹介しているものです。1人1台端末の授業づくり(4)1人1台端末の授業づくり(6)
(3)子どもが振り返るために使う
子どもたちは授業の最後に振り返りを書いています。
このときの振り返りは、以下の6つの視点から、「自分で選択」をして書くようにしています。
それぞれのカードの白色のところに自分の考えを書いていきます。
振り返りは、6枚全てに書いてもよいし、1枚だけでも、2枚だけでも構いません。
そして、それを提出箱に提出をしていきます。
実は、最初は振り返りは5つの視点しかありませんでした。初めて、この形で振り返りをしたときに、「〜ということがむずかしい」「〜ということがよくわからない」というのを作ってよと言われたので、作成をしました。この振り返りは本単元から使用し始めました。
(4)子どもが学びマップで整理をする
子どもたちには、本単元でどのような学習をしていくのかということを示した「学びマップ」を送信しています。ここに、(3)の振り返りや授業で使用したデジタル教具を入れていき、ポートフォリオのように使っていきます。
ここまでの単元とのつながりをみてみよう
この(1)〜(4)が、この時間でタブレット端末を使った場面になります。
今回の記事は過去の記事をよく引用していることに気がついたでしょうか。
これまでの記事で、
- いくつといくつ
- 10+□
の単元でのタブレット端末の使い方について紹介してきました。これらの単元は、くりあがりのあるたし算につながる単元です。今回の記事につながるように書いてきました。
下の画像を見てみてください。
「問題を移すために使う」は「いくつといくつ」から行われてきていることがわかります。
デジタル教具は
- 「いくつといくつ」では、ブロック
- 「たし算」では、絵やドット図そしてブロック
- 「10より大きい数」では、硬貨を動かすことができる教具
と継続的に使用されていることがわかります。
さらに、
- 「3つの数の計算」では、練習問題
- デジタル教具が入っている練習問題
といったタブレット端末上で行う「デジタルプリント」も継続して行われています。上の表には載っていませんが、くりあがりのあるたし算の単元でも「デジタルプリント」は使用していました。
つまり、何が言いたいのかといえば、
デジタル教具の種類こそ単元ごとに変化はあるものの、継続して使っている
ということです。
前回・今回のテーマである「1人1台タブレット端末実践は一日にして成らず」というタイトルは、「継続して使っていこうよ」ということが言いたかったのです。
継続して使っているからこそ、子どもたちも「自分で◯◯を使いたい」と思うものです。次の単元の「くりさがりのあるひき算」でも子どもたちは同様のものを使っていました。
ただ、忘れてはいけないのは
継続しているのは、タブレット端末を使っていることだけではない
ということです。
ここら辺の話は、次回にて!
