- 1人1台端末の授業づくり
- 授業全般
みなさんは普段継続して取り組んでいることはなんですか。
三日坊主になっていませんか。
1 継続して取り組んできたことはなんですか?
2月となりました。もうすぐ今年度が終わろうとしています。
少し早いですが、今年度を振り返ってみましょう。
みなさんが今年度継続して取り組んできたことはなんでしょうか。
- 学級通信を毎日書く
- クラス遊びを行う
- 毎日子どもが振り返りを書く場を設ける
- 表現する力を育てる
- 子どもが主体的に動けるようにする
- 毎日漢字プリント、計算プリントをする
などのように思い浮かぶことはありますか。
継続して取り組んできたことは、みなさんが大切にしている教育観にもきっとつながっていることでしょう。
振り返ってみると、1年間という長期間で取り組んできたことは、常に順調というわけではなかったことでしょう。停滞というときもあったでしょう。
何か挫折してしまいそうなときもあったことでしょう。
しんどかったこともあることでしょう。
そういったことを乗り越えて、今に至ることでしょう。
一時的な取組ではなく、長期的に取り組むことの方がより成果をあげることができると思っているからこそ、頑張って取り組むのでしょう。
これらのことは、
第7回 1人1台タブレット端末実践は一日にして成らず〔1〕
第8回 1人1台タブレット端末実践は一日にして成らず〔2〕
で紹介してきたことと同様のことと言えます。
継続して取り組むということで、意識しておいた方がよいことがあります。それは、
1つのことを継続すると、関連している他のことも連動して継続して行うことになる
ということです。
例えば「毎日振り返りを書く場を設ける」ということを継続して行うこととします。
すると、
- 振り返りの返事を書く
- 何人かの振り返りを学級通信で紹介する
といった取組が連動して継続して取り組むことになります。
ただ、「振り返りの返事を書く」「何人かの振り返りを学級通信で紹介する」といったことは継続して取り組めなくても、メインの「毎日振り返りを書く場を設ける」を継続して取り組むことはできます。
しかし、
●「毎日振り返りを書く場を設ける」+他のことも継続
と
●「毎日振り返りを書く場を設ける」を継続 +他のことは継続できていない
のどちらが効果的といえば、明らかです。
つまり、何を言いたいのかといえば、
- これまでにも私たちは継続して取り組んできたことがあり、タブレット端末の活用もこれまでのように継続して取り組んでいく
- メインのことを継続するとサブのことも連動して取り組むことになる
- メインもサブも継続することでより効果的になる
ということです。
2 どれがメイン?どれがサブ?
本連載のテーマは「1人1台端末の授業づくり」ですので、タブレット端末の場合について考えていきます。
「3.メインもサブも継続することでより効果的になる」と書きましたが、タブレット端末を使っていくことはメインです。しかし、メインはこれだけではありません。少し古い番組になりますが、仮面ライダーWが2人で1人の仮面ライダーであるように、
2つのメインで1つのメインのタブレット端末授業
ということになります。
では、もう1つのメインはなんでしょうか。
この画像は、前回にも出てきた画像です。これは1年生「くりあがりのあるたし算」につながる単元で、どのようなタブレット端末の使い方をしてきたのかを表したものです。
この表をよくみてみると、どのようなタブレット端末の使い方をしてきたのか以外にも書かれていることがあります。
1番下には、「既習を使って考えることがステキな姿」と書かれています。これはメインで継続していきたいことです。子どもは、算数の学習は1時間1時間別々の学習と考えがちです。しかし、実際の算数の学習は
これまでの既習や既有体験をもとに新たな考えをつくりだしていく
ものです。このことは子どもたちにも、「ステキな姿」として継続して言い続けていたことです。算数の学習は別々ではなく、つながっています。そして系統立っています。そういったことを子どもたち自身に意識してもらいたいため、自分が考えていることは既習をもとに考えているということにも気づいてほしいために継続して言っていました。このような
教科として継続して取り組んできたことがもう1つのメイン
ということになります。
3 他に継続して取り組んできたこと
「AIドリル」ということも継続して取り組んできたことです。これは、子どもたちの基礎・基本の力を確実に養っていくということをメインに取り組んできたことです。
そして、何よりこの画像の中でメインで継続して行ってきたことが、画像上部の灰色のところです。まとめ直すと、以下のようになります。
いくつといくつ……合成・分解
↓
たし算………………たし算
↓
10より大きい数……10+□、10のまとまり
↓
3つの数の計算……□+□+□
単元「いくつといくつ」で学習した【合成・分解】を使い、単元「たし算」を学習していく。単元「いくつといくつ」で学習した【合成・分解】、単元「たし算」で学習した【たし算】を使って、単元【10より大きい数】では……といったように、学びが継続していくということを表しています。
こういった継続した学びが、「くりあがりのあるたし算」につながっていくのです。こういった学びが継続しているということを授業者として、しっかりと意識しておかないといけません。
私は、単元「いくつといくつ」の段階から、「くりあがりのあるたし算」まで
- どのように継続して取り組んでいくのか
- どのようなことが必要なのか
という計画を立てました。問題やデジタル教材などは事前に考えていたものから少しの変更はあったものの、この計画通りに進めていきました。
「3つの数の計算」の導入場面では、「9+3+1」という式を扱いました。これは、「くりあがりのあるたし算」で「9+4」で扱うことを決めていたため、伏線となるように、設定をしたのです。どのような伏線かわかりますか。
そうです。「9+4」の4を分解すると、「9+3+1」という式になるということに気づき、9+1で10のまとまりを作ることができるということに気づかせることができると考えた伏線になります。この10のまとまりという数学的な見方も、継続して働かせてきた見方です。
こういったメインの強化としての取組の継続という意識がないと、もう1つのメインであるタブレット端末を有効には使えないと思っています。だから、1人1台タブレット端末実践を行うようになって、教材研究の時間が増えました。タブレット端末によって時短されてできた時間を教材研究に回しているという感覚が私にはあります。