![](/db/eduzine/mhiguchi/photo.jpg)
- 1人1台端末の授業づくり
- 授業全般
みなさん、こんにちは。樋口万太郎です。
今期も引き続き、連載していきます。よろしくお願いします。
実は、この4月から学校が変わりました。そのため、様々な変化がありました。
様々な変化の中で、この連載と関わっていることは、
- iPadからChromebookになった
- Wi-Fiが弱くなった
- メインアプリがGoogleになった
などのタブレット端末の環境の変化です。そういった変化の中で気づいた大切なことがあります。そういったことも次回以降で書いていこうと思います。
1 私の思い
今年は3年生の担任をしています。3年生といえば国語科でローマ字を学習する学年です。
つまり、タイピングを本格的にスタートさせる学年です。
(私はローマ字を学習していない1、2年生は手書きで十分と思っています)
だから、ローマ字の学習を4月に持ってきて、ローマ字の学習をしながらタイピングの練習もして、子どもたちのタイピングスキルを向上させていこうと考えていました。
しかし、多くの子たちに私が思っているよりもタイピングスキルがありました。子どもたちのタイピングスキルに私は驚きました。子どもたちは自分自身でパスワードなどもしっかり打ち込むことができています。
昨年度、1年生を担任していました。発達段階を考えると仕方がないのですが、昨年度は子どもたちのIDやパスワードを私が何度もうっていました。もしかしたら、IDやパスワードをうつという私の行為が子どもたちの成長の場を妨げていたのではないか…。そんな反省をしました。
私は、タイピングスキルを身につけるには、経験を積むしかないと主張しています。つまり、2年生の先生は子どもたちにタイピングの経験を多く積ませてくれていたのです。本当に感謝です。やはり積み重ねが大事です。去年の経験が今年活きているのです。
とはいっても、樋口学級の子どもたちもタイピングスキルに差があります。タイピングが苦手な子もいます。タイピングをローマ字表を見ながら取り組ませる一方で、私が代わりにうつこともあります。焦らせることなく、1年間かけてタイピングスキルを向上することができる場を設けていこうと思います。タイピング嫌い!!!と子どもたちが思わないように…。
それでは、今回は4月にJamboardを導入した時の取り組みを紹介していきます。
2 算数科で使用
時間や時刻を求めるために、筆算を使用する学習が3年生にあります。その筆算を作成し、Jamboardに貼り付け、配信をしました。
子どもたちは一人ひとり、ここに書き込みながら問題を解いていきます。必要な分だけ子どもたちによって複製することができます。共有することも容易です。
タブレット端末で取り組ませなくても、「ノートに書かせたら良いじゃん」と思われる方もいるかもしれません。確かにノートで取り組むことはできます。
しかし、慣れないうちはこの筆算を書くのに時間がかかります。また「筆算を書くこと」が目的ではありません。そこで、子どもたちが筆算に慣れるまでは、Jamboardで取り組んでいきました。筆算に慣れると、素早く自分で筆算を書くことができるようになります。そのような状態になってから、ノートで書かせるように移行していきます。
3 Jamboardを本格的に使ってみる
Jamboardの使い方を子どもたちに教えたのは、4月末でした。上記の算数は、それよりも以前に取り組んだことです。上の取り組みはJamboardの存在を知るため、基礎の基礎という感じの意識で取り組みを行いました。
最初にJamboardの簡単な使い方を教えた後、
- 先生が作成したURLを使う(1グループ4人で、全グループ分を作成しています)
- グループの子たちとは取り組まない
という条件をつけました。そして、
- テーマは「5月」
とし、グループ内でできる限り多くの付箋を作成するという取り組みをスタートさせようとすると、
「先生、メンバーで付箋の色分けをしてもいい?」
という質問が出てきました。子どもたちからの良いアイディアです。もちろん返答はOKです。こういった子どもたちからの良いアイディアはどんどん採用していくべきです。
色分けをそれぞれのグループでした後、スタートしました。
しばらく経つと、
「誰かが消した」
「誰かが勝手に動かした」
「付箋がめっちゃ大きい」
「勝手に書かないでよ」
といったつぶやきがどんどん増えてきました。
本連載「1人1台端末の授業づくり(1)失敗から考えた協働編集」
で紹介した子どもたちの声とも似ています。
子どもたちから、このような声が出てきた時に、
「大丈夫、大丈夫!!」
「先輩方もみんな通ってきた道だから大丈夫!」
「みんな、この後より成長できるから安心して!」
などの声かけを上記の声が聞こえてくるたびにしてきました。
ある程度、活動をしたのちに、全体で次のような話をしました。
付箋を動かされて嫌だったという声がたくさんあったけど、付箋を動かした子は良かれと思って整理しようとしてくれたのかもしれないよ。でも、そうは思わなかったんだよね。
これから先、みんなの付箋を整理しようと思った時、どうしたら良いと思う?
(子どもたちから意見が出る)
そうだよね、グループ内で相談すれば良いんだよ。今日は先生が相談できないようなルールを言ったんだよね。でも、本当はいつでも相談をしたら良いんだよ。
自分の思いは表現しないと相手には伝わらないから。そうすれば、整理する人、付箋をもっとかく人と言ったように、今よりもっと良いのができるのかもしれないよ。
多くの子たちが頷きながら話を聞いてくれました。
私が言ったことの中にあるように、「グループ内で相談することの大切さ」に改めて気づいてもらうために、あえて、グループの子たちとは取り組まないという条件を設定しました。このように実感を伴った方が、理解をしやすいと私は考えています。
だからといって、次の時間全グループが話し合いながら、上手に使えるようになったわけではありません。新たな子どもたちの訴えもありました。でも、最初から完璧にできると思っていません。何度も何度も取り組むことで、経験を積むことができます。その経験の蓄積によって、より上手に使用することができます。だから、長期的な視点で指導をしていきます。
この経験をもとに、国語科において「問い」づくりをしていきました。いきなり学習というよりも少し遊び感覚で取り組んでから教科に取りかかれた方が子どもにとっても、先生にとっても気楽に取り組めるように思います。
オマケ
毎朝、Classroomで子どもたちへの1日の連絡を投稿するようにしています、なので、子どもたちは登校したら、Chromebookを保管庫から取り出し、私からの連絡をみるようにしています。これで、子どもたちは1日の見通しを持って過ごすことができます。なんだか、サラリーマンみたいですが…。
実はこの取り組みは子どもたちだけでなく、私にもメリットがあります。これは絶対に伝えないといけないことなどをしっかりメモに書いたりするのですが、そのメモをなくしてしまったり、手に書いていることを忘れたりと、実は私は忘れん坊なんです…。
しかし、Classroomだと大切な連絡を聞いた瞬間にClassroomに打ち込むことができ、伝え忘れをかなり減らすことができます。
Classroomは予約投稿ができます。だから、私はその週分の予約投稿を事前に作っておき、連絡があるごとに書き込むようにしています。子どもたちにはその予約投稿は投稿時間がくるまで、みられません。デジタルが苦手と言われている先生はこういった連絡の掲示板のように使うことから始めることをオススメします。
今回はここまで!また次回お会いしましょう。
![](/common/img/banner/merumaga_w655h70.png)