
- 1人1台端末の授業づくり
- 授業全般
「タブレット端末に集中して、教室がシーンとなるときがあります」
そんな話を最近聞くようになりました。
おそらく「シーン」とすることがいけないこと、もっと子どもたち同士で話し合いながら取り組んでほしいという認識があるように思います。
気持ちはよくわかります。
樋口学級でもシーンとなることがあり、ドキドキすることがあります。
でも、
教室がシーンとなること、良いのではないでしょうか。
子どもたちの集中している姿があるのではないでしょうか。
タブレット端末を用いて検索をしたり、資料を分類・整理したり、表現物を作成したり…。
私もこの原稿を書いているとき、誰とも話すことなく、黙々と書いています。
ただ、自分と対話をしたり、過去の子どもたちの様子を思い出したりと、自己内の対話は行っています。そして、
子どもたちにとって話し合う必要感がない
のです。
子どもたちがシーンとなって作業をしているとき、
「教師は歩き回り、子どもたちの作業をしている様子を把握したり」
「それに対してアドバイスをしたり」
「一緒に子どもと取り組んだりしたり」
しないといけません。
教師はずっとタブレット端末を見ていたり、黒板前で座ったりしている場合ではありません。そして、
作業をして終わりではなく、考えを交流したり、深めていったりする活動を仕組んでいく必要
があります。こういった仕組むということはタブレット端末はしてくれません。
教師が仕組んでいく必要があります。
1 桃鉄教育版
桃鉄の教育版がリリースされました。とても嬉しいことです。
実際に樋口学級でも総合的な学習の時間の単元の導入で、2時間だけ子どもたちとやりました。
でも、桃鉄教育版の申し込みは許可が出たものの、実際に利用することは管理職から許可が降りなかったという話をよく聞きます。
こういった話を聞いたとき、思ったことは、
「桃鉄教育版をしたいので、利用していいですか?」
と管理職に聞いていませんかということです。こんな聞き方であれば、そら許可はおりません。「何のために〜」がないのです。それがないと、単なるゲームと思われ、デメリットばかりを感じられてしまいます。
「○○地方(地域)をより詳しくなるために、桃鉄教育版をしたいので、利用していいですか?」
と聞く方が、まだ許可が下りる可能性は高いですが、まだ厳しいことでしょう。なぜなら、
「○○地方(地域)をより詳しくなるため」ということは桃鉄以外の導入されているアプリなどで取り組むことができる可能性があるからです。
だから、
- 桃鉄だからこそできること
- この単元のゴールを達成するためにどんな役割なのか
- どんな力が子どもたちにつくのか
などのより強力な理由、学びを深めていくことがないと許可は下りづらいことでしょう。ここを抜かしていることが多いのではないでしょうか。
2 算数科におけるタブレット端末の使い方
では、今日の本題へと。
算数科におけるタブレット端末の使い方について、少し整理をしてみました。
いまだに算数科が一番タブレット端末を使いづらいと思っています。
だからといって、タブレット端末をそもそも使用しないという選択肢はありません。もちろん学習内容によって、子どもが使用しないということはありえますが、もはや算数科でタブレット端末はいらないという考えではないということです。
話を戻します。
- 提出箱で友達の考えを見る
- 考えや情報を送り合う
- 提出箱で比較する
- クラウドに算数アイテム
- デジタルワークシート
- デジタルワークシートや算数アイテムなどを複製する
- 協働編集(めあてづくり)
- 協働編集(考えを形成)
- 協働編集(ふりかえり)
- 検索する
- シート分類・整理
- タブレット端末をみせながら発表
- AI型ドリル
- 1人でまとめる
- 動画を撮る
- 写真を撮る
- シンキングツールを使う
- 問題提示
- 領域ごとに名前分け
- 電卓を使う
- プログラミング
- 写真・動画鑑賞
- 学び方の提示
などの23個に今回はまとめてみました。他にも使い方はあることでしょう。
(今回は一つずつの解説は行いません。詳細は私の書籍や過去の連載をご覧ください。)
文部科学省(2016)「算数・数学ワーキンググループにおける審議の取りまとめ」資料4には、算数・数学の学習課程のイメージ図が掲載されています。
3 どこにあてはまるのか
算数・数学の学習課程のイメージ図上のA1、A2、B、C、D1、D2に先ほどの23個の算数の使い方を配置してみると、以下のようになりました。
配置の仕方には議論の余地はあるものの、興味深いことがみえてきませんか。
それは、A1、A2、B、CというA〜Cのプロセスの方が、D1、D2よりも多くの使い方が配置されたということです。おそらく、現在多くのタブレット端末実践はこのA〜Cのプロセスが圧倒的に多いのです。「気軽にできるタブレット端末実践」といった名前の付けかたの実践紹介はここにあたります。
タブレット端末を使用すると、発表量・表現量が増えたり、共有しやすくなったり(だからといってお互いの考えを知ることができているかは別問題)して、学びの速度は上がります。だから、このプロセスで使用していくことには異論はありません。
D1、D2のプロセスは深い学びのプロセスだと考えています。だから、上記の配置を見てみると、D1、D2は少ないことがわかります。
つまり、論理の飛躍があるかもしれませんが、深い学びを実現するためにタブレット端末を使用する機会が少ないということがわかります。だから、深い学びを実現するためには、タブレット端末だけでなく教師からの仕掛けや発問などが必要になってくると考えています。
最近の実践を見ると、「教科書何ページをしましょう」という課題提示を見ることがあります。こういった提示では、「教科書何ページができる」ということに重きがおかれており、深い学びは二の次のような実践を見ることもあります。どのような手法であれ、目指す授業は主体的・対話的で深い学びです。「深い学びってなんですか?」と聞かれたとき、答えることができないのであれば、タブレット端末をうまくは利活用できないことでしょう。
教師からの仕掛けや発問などは、これまでの量や質からは変化はあるかもしれませんが、これからも必要なことです。
