19日の時事通信記事によると、また1つ国旗・国歌をめぐる裁判の判決が言い渡された。この訴訟は、卒入学式で国歌斉唱時に起立しなかった都立高校教諭らが、東京都の「服務事故再発防止研修」は思想・良心の自由を侵害するとして慰謝料や処分の取消を求めたもの。東京地裁は原告の請求を棄却した。
今回の判決の特徴
今回の判決で注意すべきは、国歌斉唱時に起立せず国歌を斉唱しないことへの懲戒処分そのものではなく、研修の発令・実施が思想・良心の自由に反するかが問題となっている点だ。上記記事にも触れられているが、判決は、懲戒処分について原告教諭らが問題にしていない以上、職務命令違反に対する研修命令も違法ではないとしている。
都教委の通達を違憲とした判決(2006年9月東京地裁)
国歌斉唱時の起立および国家斉唱を命じる東京都教育委員会の通達と、それに基づく校長の職務命令そのものを争ったものとしては、昨年9月の東京地裁判決が記憶に新しい。この裁判では原告側が勝訴したが、都教委は控訴し今も係争中だ。
この地裁判決では、いわゆる日の丸・君が代が政治的・中立的なものとなっているとは言いがたく、それを式典の際に強制するのは教職員の思想・良心の自由に対して、許容範囲を超える制約であるから違憲としている。
都教委の処分を合憲とした判決(2007年2月最高裁)
逆に、都教委側の勝訴が最高裁で確定したものとしては、日野市の「君が代」伴奏命令を合憲とした今年2月の判決がある。この最高裁判決の特徴は、ピアノの「伴奏」という客観的行為と(伴奏を拒否した)教諭の思想信条は不可分に結びつくものではなく、また「伴奏」は音楽専科の教諭の通常の業務にあたるから、職務命令を合憲としている点だ。
また、20日の東京新聞記事によると、日の丸掲揚に反対するイラストを描いた服を着て卒業式に出席した女性教諭が、都教委の戒告処分の取消を求めたていた訴訟で、最高裁は原告の請求を棄却した。
国旗・国歌訴訟をめぐる争点
国旗・国歌訴訟をめぐる争点は、およそ次の3つだろう。1つめは「日の丸、君が代の性格をどのように考えるか」。2つめは、「思想・良心の自由(憲法19条)は、職務の中立性や公共性、全体の奉仕者(憲法15条1項)という観点から公務員に無制約に保障されるものではないが、その制限はどこまで許されるか」。3つめが「内面の思想・良心と外面の行為の関係」。
これらをどのようにとらえるかで、「学習指導要領に記載されている以上、起立・斉唱するのは当然」という考えから、「強制まではしなくても良いのでは」、そして「起立・斉唱には反対」まで様々な考え方が導き出される。おそらくまだ続くであろう、国旗・国歌訴訟の行方を注目したい。
- 君が代不起立の再発防止研修「違法と言えず」 東京地裁(朝日新聞)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200707190515.html - 戒告処分取消請求事件(2007年2月最高裁判決)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&ha...
これは普通の都民の一般的な感覚だと思うのだけれど、違うのかな?
あー、国旗・国家法制定時に文科省が出した資料ですねー。
国旗の掲揚も斉唱と同じような状況みたいです。
(アメリカは式典ではなく常時掲揚がのぞましいみたいな感じ)
思い起こしてみれば、この法律の審議時、当時の小渕首相が
「強制などするようなものではない」って発言したんでしたね・・・。
やっぱり国家を斉唱しない大人に育つのかな?
自虐史観のせいかどうかは分からないですけど、最近の日本人は日本人であることにもっと誇りをもった方が良いと思います。そうすれば、行き過ぎた強制もしなくてよいし。
脇役は脇役らしくおとなしくしていください。
そりゃ愚問・・・。
ある1人がマラソン大会は信仰に反しますって言っても中止にしないでしょ。おとなしく欠席してください・・・。
そりゃまた極端。
だからって、卒業式を欠席しろはあまりにかわいそう。
何年間もの勉学を終えた生徒を送り出してやろう
っていうのが卒業式でしょ。
一糸乱れぬ厳粛な式の進行や、君が代斉唱とかが一番の
主役ではない。(それも大事なのは分かるけど)。
起立するけど歌わないとか、そのときだけ退席するとか
やり方はいろいろあるはず。
ん? 生徒なら別に問題ないでしょ。
それこそ「思想信条の自由」じゃないですか。
教育する立場にある教職員だから問題なわけで。
それならわかるよ。「反対!」って騒がなければね。
そういう人がオリンピックで金メダルでも取った日にはどうすんだろうね。
日本でも、剣道の実技を信仰上の理由から拒否した高校生についての判例がありますね。単位が足りず留年・退学になってしまったんだけど、最高裁は、それはやりすぎ、レポートとか代替手段があったはず、ということで生徒が勝訴してます。