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次期指導要領に向けた答申を提出―中央教育審議会
kyoikujin
2008/1/18 掲載

 中央教育審議会は17日、学習指導要領の改定に向けた答申を渡海文科相に提出した。答申は昨年10月に公表された審議のまとめとほぼ同じ内容で、小中ともに授業時間数を約1割増やし、ゆとり教育の見直しを図る。道徳の教科化は見送られた。

 審議のまとめ(中間まとめ)からの変更点はいくつか見られた。中でも、PISA2006の調査結果について、前回2003年調査と同様の低下傾向が見られることや、科学への興味・関心を感じる割合が低いことについて言及が加えられたことは印象深い。また、道徳の教科化は見送られたものの、家庭や地域社会と学校の連携の必要性を繰り返し強調し、学習指導要領の趣旨を踏まえた教材を教科書に準じたものとして活用することや、心のノートや読み物資料など多様な教材を認めつつ、その内容や活用方策を充実することが重要としている。

 小中学校の主な改訂内容は以下の通りで、主要教科と体育の授業時間を増加する一方、総合的な学習の時間が削減されている。

小学校

  • 主要教科と体育の授業時間を1割増加
  • 5年から英語活動を実施
  • 総合学習の時間を3割削減

中学校

  • 理科と英語は3割、数学は2割、国語、社会、体育は1割増加
  • 選択教科は総合学習の時間から振り分け、事実上廃止

 主要教科の授業時間増については、基礎・基本の定着を図るとともに知識・技能の活用を充実させるためとし、体育については、子どもの体力低下に言及している。また、総合学習の時間の削減については、一定の授業時数の確保が適当としながらも、期待されていた教科の知識・技能を活用する学習活動は各教科の中で充実できること、小学校高学年では外国語活動を設けることなどを理由としている。

 「新学習指導要領のパブリックコメント実施時期について」によれば、文科省は直ちに小中学校指導要領の改訂作業に入り、2月中旬に改訂案を公表し、1ヶ月間の意見公募を行って、今年度内の改訂を目指すとのこと。新指導要領は、理科、数学などは2009年度から前倒しで実施され、小学校は11年度から、中学校は12年度から完全実施される予定だ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/1/22 14:45:09
    小・中同時を期待していましたが、教科書が間に合わなかったのでしょうか。
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