習熟度別指導、正答率の向上に効果―文科省調査
文部科学省は、30日、全国学力テストと習熟度別少人数指導の実施状況についての分析を公表した。分析によると、習熟度別指導を多く受けた子どもの方が好結果を残し、関心・意欲・態度も高い傾向があることがわかった。
調査では、算数・数学において低学力層の子どもを対象に、習熟度別指導を年間4分の3以上の時間で受けた子どもと、全く受けなかった子どもとの正答率、無回答率を比較した。
小学校では、抽出した20問のうち15問で習熟度別指導を受けた子の正答率が高く、最大で3%の正答率の差があったが、逆に受けた子の正答率のほうが1%以上低い問題が3問もあった。無回答率については14問中8問で受けた子の方が低かった。
中学校では、受けた子の正答率が高い問題は小学校と同じく15問だったが、受けた子の正答率のほうが1%以上低い問題はなかった。無回答率についても、20問すべての問題で受けた子の方が低いという結果になっており、内容が高度化する中学校で、習熟度別指導が低学力層に効果をあげている傾向が見られた。
都道府県別に見ると、全体的には習熟度別指導を行っている学校の方が結果を残している県が多かったが、あまり差のない県や逆に未実施校の方が結果が良い県もあり、習熟度別指導を多く行っていても、取り組み方次第であまり効果が表れないケースがあることもわかった。
また、全ての学力層を対象に習熟度別指導と関心・意欲・態度の相関を調べた調査では、習熟度別指導を多く受けている子どもの方が関心・意欲・態度が高い傾向が見られ、特に小学校では受けている子と受けていない子との差が顕著に見られた。
- 平成20年度全国学力・学習状況調査追加分析(その2)について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/03/1259912.htm - 橋下知事、府立小学校の少人数学級を見直しへ(2008/5/29)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20080260
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
うちは本年度はT.T.でいくことになりましたが、
少人数学級も、等質学級ではなくて、習熟度別学級であればどうなのか、と考えさせられました。