きたる2012年5月21日は、何の日かご存知ですか? ニュースなどで頻繁に取り上げられ、書店や家電量販店では専用メガネが飛ぶように売れているという…そう! 金環日食デーです!!
日本では、1987年9月23日に沖縄で見られたときから25年ぶり、本州では1883年10月31日以来、129年ぶりの金環日食となるそうです。
前回、皆既日食が見られた2009年にも、日本のみならず世界各地において、大いに沸いたことが記憶にあるのではないでしょうか。2009年の日食は、月で太陽全体が隠れる=周囲が真っ暗になる皆既日食でしたが、今回の金環日食は、月の外側に太陽がはみ出すので、細い光の輪ができているように見える(はず)です。
「日食・月食・星食情報データベース」を見ると、観察可能域が本州を覆うように広がっているので、かなり多くの地域で金環日食が、その他の地域でも全国各地で日食が観察できます。
学校で観察する際の留意点は?
今回の日食を、クラスの子どもたちと一緒に、学校で観察しようとお考えの先生も多いかもしれません。文部科学省は、去る4月18日、「平成24年5月21日の日食の観察における幼児・児童・生徒の安全確保に係る注意事項について」を発表しました。すでに2月3日にも「平成24年5月21日の日食の観察における注意事項について」を発表していましたが、日食当日が近づいてきたことから再度の注意喚起を促すものとのことです。
日本天文協議会・財団法人日本眼科学会・社団法人日本眼科医会によって、学校向け資料として作成された「日食を安全に観察するために」(PDF)では、危険回避のポイントとして次の2点が挙げられています。
◎適切な観察方法を周知して、日食網膜症を防ぎましょう
◎朝の通学途中に観察しないよう、危険のない観察環境を検討しましょう
@日食網膜症を防ぐ→太陽を直に見ないこと
これは、ニュースなどでも再三注意されていることですが、観察方法には十分留意して、目を傷めない適切で安全な観察を行うことが最も大切です。また、金環日食が見られる時間は、国内最長の地点でも5分程度とわずかで、学校などで大勢で見る場合には特に、観察用具・設備が足りないと見られない子どもも出てしまうので、注意が必要です。
A通学途中に観察しない→交通事故に気をつけて
日食が観察できるのは、午前6時台から9時前後までと、通勤・通学の時間帯と重なります。特に、金環日食の観察できる午前7時半前後は、通学途中の子どもたちが路上で見上げてしまうことにより周囲の車などに気がつくのが遅れる可能性はもちろん、運転者自身の注意がそれることにより、事故に巻き込まれる場合も出てくるかもしれません。通学時の観察を避けるだけでなく、当日は普段より一層注意して登校する必要がありそうです。
文部科学省HPの「5月21日の日食の観察における注意事項」内では、参考になるホームページがいくつかあげられています。リンク先の「2012年金環日食日本委員会」「財団法人日本眼科学会」「公益社団法人日本眼科医会」のHPでは、安全な観察方法についての啓発ポスターがダウンロードできるようになっていますので、掲示して周知するのもよいかもしれません。
せっかくのビッグイベント、怪我なく安全に、楽しく観察できるといいですね。