皆さんの学校では、新年度の担任配置は、いつ発表されるでしょうか。私の以前勤務していた学校では、3月末に職員室で校長先生から新しい年度の担任配置が発表されます。ここから新年度の準備が始まります。担当学級が決まったら、4月の始業式までにしなくてはいけないことは山のようにあると思いますが、まず第一にしておかなくてはいけないことは、子供の情報を集めることです。
● 3月末・担当学年(学級)が決まったら
子供の情報を集める上で、次の3点は欠かせません。
(1)指導要録・健康記録簿・通知表の確認をすること
(2)家庭連絡カード・緊急避難カードの確認をすること
(3)児童の情報を前担任等から聞き取ること
ここで得ることができる情報は、学級経営案や教室環境、学級のルール等、学級経営を行う上での詳細を決定する際に基となります。
(1)指導要録・健康記録簿・通知表の確認をすること
「指導要録・健康記録簿・通知表(もしくは評定)」の3つの書類をただ単に流し読みをしていたら大切なことを見落としてしまいます。どんな物事も見ようとしなくては、大切なことが見えてきません。これから出会う子供のことを想像しながら一人一人確認するようにしましょう。
(2)家庭連絡カード・緊急避難カードの確認をすること
学校によって名称は違うと思いますが、この2つのカードに該当するものは必ずあるはずです。ここには、指導要録とともに、子供の名前の表記や読み方(場合によっては通称名)、生年月日を確認することができます。また、兄弟関係、住所や緊急連絡先、緊急避難先、かかりつけの病院等も新学期からの大切な情報です。指導要録には掲載されていない情報がここにはあるので、必ず目を通すようにしましょう。
(3)児童の情報を前担任等から聞き取ること
まずは、前担任から子供達一人一人の聞き取り(健康面、学習面、体力面、生活面、友達関係、家庭の様子等)を行います。前任校には、当時の担任が上書きしていった一人一人の詳細を記載した文書ファイルがあったので、その資料を見ながら聞き取りを行っていました。忘れてはいけないのが、1年前に前担任が引き継いだ時に聞いていた情報です。学年が上がるにつれて、その情報が引き継がれないことがあってはなりません。必ず確認しておくようにしましょう。同様に、養護教諭、栄養教諭、管理作業員、給食調理員にも情報を聞き取るようにしましょう。
※前担任が転勤している場合は、前担任には電話で聞き取りを行う。
● 新しい学年・学級を担当する際の心構え、準備
新しい学年・学級を担当する際の心構え・準備として、特に大切にしたいことは次の3点です。
(1)徹底した教室の安全点検・清掃を行う
(2)学級全員の子供の名前を覚える
(3)始業式当日の担任の所信表明を始め、3日間の流れの詳細を考える
(1)徹底した教室の安全点検・清掃を行う
〜美しい教室環境で、子供達を出迎えよう〜
前の担任の先生が、年度末に掃除をしているとは思いますが、新学期には再び子供達を美しい教室環境で迎えるために、安全点検、清掃をするようにしましょう。以下のチェック表を参考にしてみてください。
(2)学級全員の子供の名前を覚える
〜出会いワクワク、新しい学級をイメージして出会いを楽しもう〜
大人でも新しい職場に勤務した時、自分の名前を呼ばれて声を掛けられると、嬉しい気持ちになりますよね。子供達も同じです。「今日初めて出会ったから、先生名前まだ覚えていないんです…」というよりは、「川村さん、きちんと目を見て話を聞くことができていますね」「堀江さん、ていねいな字を書いていますね」と始業式当日から、名前を呼びながら子供に話かけるようにすることが大切です。
事前に名前と顔写真を合わせて覚えるようにしましょう。個人情報管理の問題から、校外に子供の名前や顔写真を持ち出すことができないと思いますが、校内で始業式までに全員分をきちんと覚えるようにしましょう。
(3)始業式当日の担任の所信表明を始め、3日間の流れの詳細を考える
〜準備万端!! 綿密な準備から心の余裕が生まれる〜
教室環境が整い、子供の名前を覚えたら最後にしておくことは、始業式当日の担任から子供達へ向けての所信表明を始め、3日間の流れを考えて整理しておくことです。1年間の一貫した指導のために、この所信表明は非常に大切です。1年間の学級経営の核といっても過言ではありません。始業式当日に配付する学級通信1号(新学期号)にも文章化して明記しておくことで、保護者の方に伝えることができるとともに、自分の考えを整理することもできます。
3日間の流れは、授業案はもちろんのこと
・ 始業式の日に必ず伝えたいことは何か
・ 始業式に日に配付しておかなくてはいけないものは何か
・ 給食当番、掃除当番はどのようにして進めていくのか
・ 給食の時の約束事はどうするのか
・ 持ち物のきまりはどうするのか 等
多岐に渡ります。
新学期までに、学校生活のあらゆる場面を想定して詳細を決定しておくことは、自分の学級だけでではなく、学年全体にも確認・共通理解することにも繋がります。万全な準備をしておくことで「急な対応に余裕を持って対処することができる」「子供達の細かい表情を見ることができる」というメリットが生まれます。
● 持ち上がりの学年・学級を担任する際の心構え、準備
持ち上がりの学年・学級を担任する際に大切なことは、「先生自身が新鮮な気持ちで臨む」ということです。ここまで紹介してきたことを「1年間担任をしてきたから理解している」と思うのではなく、「1年間の始まりだから、再確認するよい機会だ」と思って行動することで子供達に新鮮な気持ちを伝えることができるのではないでしょうか。
先生にとっては同じ子供達・同じ学級でも、子供達にとっては、一生に一度しかない新しい学年の始まりです。新しい学年に夢や希望を持つことができるよう、充実した1年になるよう、先生自身が新鮮な気持ちで綿密な準備をするように心がけましょう。
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- 名無しさん
- 2019/3/16 14:20:59
参考にします!