狩りの時代に狩りができない子供たち
※図1
Society5.0時代に生きる子供たちにとって、PC端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。今や、仕事でも家庭でも、社会のあらゆる場所でICTの活用が日常のものとなっています。社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではいられません。
(令和元年 『子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT 環境の実現に向けて〜令和時代のスタンダードとしての1人1台端末環境〜』 文部科学大臣 萩生田光一)より引用
GIGAスクール構想は3年目を迎えました。しかし、残念ながら、すべての子供たちのPC端末が、マストアイテムとして日常的に活用されているわけではありません。この事実が、子供たちのデジタル格差を生んでいるのです。
『はじめ人間ギャートルズ』という狩りの時代が舞台のギャグ漫画をご存じでしょうか。主人公ゴンが狩りを学びながら成長していく過程が面白おかしく描かれています。もし、狩りができなければゴンは生き抜くことができません。物語はそこで終了です。
Society5.0時代の今、ICTの活用が日常のものになっていないということは、狩りの時代に狩りができないことと同じです。つまり、生き抜くことができないのです。
GIGAスクール構想の分岐点に立たされた今、前進か後退か。それとも停滞か。改めて考え直し、最低限の方向性と足並みを揃えていく必要があるのではないでしょうか。それが、子供たちの未来につながるはずです。
GIGAスクール構想の三極化
※図2
「GIGAスクール構想の二極化」という言葉がよく使われますが、私は図2のような「三極化」と考えています。すべての足並みを揃えることは現実的ではありませんが、教師の格差が子供たちの格差につながっているということも疑いの余地がない事実です。
だからこそ、それぞれの立場でマインド・アップデートを行い、それぞれが1歩ずつでも前に進むことが必要だと思います。それでは、具体的に考えてみましょう。
パイオニアタイプ
先陣を切って突き進むことはもちろん、周りが前に進んでいるかどうかというところにもアンテナを張る必要があります。特にスタンダードタイプの1歩を全力でサポートしましょう。「こんな良い実践があります!」、「ICTの活用は必須です!」などと伝えるだけでは前に進みません。スタンダードタイプの実践や考え方がすべて間違っているわけでも、パイオニアタイプの実践や考え方がすべて正しいわけでもありません。一方通行ではなく尊重し合いながら、共に進む。そして、尖らず謙虚に関わりながら、添え物のようにICTの活用を提案する。それができるかどうかです。つまり、最重要ポイントは信頼関係です。スタンダードタイプの一歩を実現できるのは、身近な存在のパイオニアタイプのみということを忘れてはなりません。
ドリーマータイプ
※図3
図3は、私が考えるGIGA推進のステップです。理想や気持ちがあるのになかなかうまく実践できないのは、ステップを飛ばしていることが原因の1つです。例えば、本やSNS上などで「ステップ❺」の実践を知り、「こんなすごいことができるんだ!」、「面白そう!やってみたい!」などと感じるが、実践力がそこに追いついていないということです。自分が今、どのステップにいるのかを再確認しましょう。特に「ステップ❷」は極めて重要です。ここを徹底することがポイントとなってきます。最初はICTの活用が目的になっても構いません。簡単なことでも構いません。今の自分にできる実践を考え、とにかく「毎日使う」ということを心掛けていきましょう。
スタンダードタイプ
もしGIGA推進を全面的に否定しているのであれば、再考の余地があります。今まで通りの教育でも、子供たちは進級したり卒業したりすることは可能でしょう。その結果から、何とかなっているようにみえてしまいますが、そうではありません。子供たちが大人になったとき、初めて「何とかなっていなかった。」と気づくのです。狩りの時代に狩りができないのですから、その未来は必然的です。すべて変える必要はありませんが、何も変えないのはNGです。しかし、何が分からないのかも分からないのが現状だと思います。ですので、遠慮なく身近な存在のパイオニアタイプをフル活用しましょう。雑なお願いでも、小さな質問でも構いません。きっと、大喜びしながら共に進んでくれると思います。
子供たちの未来
GIGAスクール構想は、新しい教育の形を創る重要な一石であり、教師一人一人が重要な役割を担っています。パイオニアタイプ、ドリーマータイプ、スタンダードタイプ、それぞれが異なる音を奏でますが、これらが1つになった時、美しいシンフォニーが生まれます。互いに尊重し合い、支え合いながら、全員で一歩、また一歩と前に進んでいきましょう。その一歩が子供たちの未来を大きく変えることでしょう。
イメージがわかないものや見通しのもてないことには否定的になってしまいがちです。
しかし本校では的場先生に2度研修に来ていただき、パイオニアタイプ・ドリーマータイプの教職員が増えました。
この記事を読んで、パイオニアタイプの方たちから学び、まずは自分の理想をもち、正しくステップを踏んでいきたいと改めて感じました。
当初、ベテランや管理職の先生方からは、GIGAスクール構想について、否定的な意見が出ていたことから、自分自身としても、あまり肯定的な考えや意見をもつことはできず、ICT活用についての研修も、ただ受講しているだけの状態でした。
しかし、的場先生を含めた先生方のSNSを通して、ICT活用についての実践を目にしていくうちに、興味をもつことができました。
そして、的場先生の実践やお話を聞いて、自分もICTを使いこなせるようになり、子どもに還元していきたいと思えるようになりました。
苦手だったICTも、今では使えるようになり、毎日、子どもも課題解決に向け、手段の一つとして活用できるようになりました。また、子どもたちは、自己調整しながら、できることも増やしていき、反対に学ぶことも多くなっています。
個別最適の学びや協働的な学び、ICT活用能力など、様々な変化に対応できる力を身に付けさせていけるよう、今後も、的場先生からの学びを実践していき、自分自身の力も向上させていきたいと思っています。
GIGAスクール構想の三極化について見させてもらい、身近なパイオニアタイプの先生から積極的に技術を学ぶことが、教育のICT化を進めて行くと私も思います。
私自身教員経験が短く、まだまだ学ぶことも多いですが、ICTを毎日使い、的場先生のようなパイオニアの先生として、学校教育に貢献できるよう努力したいと思います。
GIGAスクール構想の三極化について見させてもらい、身近なパイオニアタイプの先生から積極的に技術を学ぶことが、教育のICT化を進めて行くと私も思います。
私自身教員経験が短く、まだまだ学ぶことも多いですが、ICTを毎日使い、的場先生のようなパイオニアの先生として、学校教育に貢献できるよう努力したいと思います。
私の職場でもドリーマータイプの方が多いように思います。そして、その1人が私です。
的場先生の言われるように、ドリーマータイプの方が少しでも「できた、もっとやってみよう」と思えるように少しずつ段階を踏んでいく必要があると思いました。
私も簡単なところからやってみようと思います!
最後に質問ですが、ドリーマータイプの方にはどんなアプリがおすすめでしょうか。よろしければ教えていただけるとありがたいです。