教育オピニオン
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学級開き初日で心をつかむアイテム4選
愛知県公立小学校八神 進祐
2024/4/1 掲載

 4月、誰もが希望に胸を膨らます季節。「始めよければ半ばの成功」といいます。安心感・期待感、そして笑顔でスタートが切れるよう、心をつかむアイテム4選を紹介させていただきます。

アイテム1「巻物でござる」


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 子ども達にとっての一大イベントのひとつに誕生日があります。子ども達の誕生日に祝福の声をかける場面は多いことと思います。ただ、4月当初はあまりに忙しい。それでも、始業式前に誕生日を迎える子はいるでしょう。そこで、お勧めしたいアイテムは「巻物でござる」です。始業式前に誕生日を迎える子は、「4月生まれとしてひとくくり」にして祝われることが多いと聞きます。そうではなく、始業式の日に「巻物でござる」を手渡すことで、「あなたのことを大切に思っているよ」というメッセージになります。そういった想いは周りの子にも広がります。互いが互いの存在を想い合える関係を構築する第一歩として、有効なアイテムとなります。

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 また、誕生日以外にも、重大ニュースがあった時にも使えます。例えば、

  • 来週から教育育実習生が来ます!
  • なんと! 今日は校長先生の誕生日です!

というときにも活用してみてはいかがでしょうか。

作り方

 色画用紙を短冊状にカットします。筆ペンで日付とお祝いの言葉、子どもの名前を心を込めて書けば完成。ケーキを描いたり写真を貼ってもいいですね。

アイテム2「連絡ボード」


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 繰り返しになりますが、4月当初はとにかく忙しく、提出物や行事などが目白押しです。朝に、子どもたちへ伝える連絡で漏れがあってはいけません。そんな備忘録アイテムが「連絡ボード」です。連絡事項をお手軽・簡単・確実に伝えられます。

  • 歯科検診は2時間目。
  • 通学団での集まりは昼休み。
  • 明日から募金活動アリ。

 これらの連絡をA4の印刷用紙に、大きな字で簡潔に書き込みます。学級でそれらを伝える時に、その紙を見せながら説明します。視覚的にも効果があり、伝えた後は、紙の上部を糊付けし、上からどんどんと「連絡ボード」に貼り重ねていきます。
 ついド忘れしてしまったり、聞き漏らしてしまったりした時の再確認方法としてこれ以上ない最強アイテムで、私自身、何度も助けられました。今では、クラス運営上の必需品となっています。

作り方

 色紙を台紙にし、連絡事項をA4印刷用紙にメモします。字は太くはっきりと書くと見やすいです。

アイテム3「メッセージ・トランプ」


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 学級を1年間、無事に楽しく過ごすことは誰もの願いです。そのお守りアイテムとして、この「メッセージ・トランプ」をお勧めします。全員分、トランプにメッセージを書き、始業式の日に渡します。メッセージの内容は、

名前+メッセージ+日付+担任の名前

です。可愛いシールなどを貼ってもいいですね。ただし、一人一人に異なるメッセージを書くのは大変です。負担減を考えて、全員同じメッセージでもよいと思います。受け取った子ども達は、大切に保管してくれます。自宅の勉強机にかざってくれる子、筆箱に大事そうにしまってくれる子…。ふとした時に目にすることで、4月のやる気を思い出させてくれる勇気のアイテムとなります。なぜトランプかというと、トランプは黄金比に近い形であるため、なんだか不思議な力を感じると私は思うからです。また厚みもあり、手にした感触もGOODです。
 また私は、4月当初だけでなく、毎日の日直の子にその日の頑張りをメッセージ・トランプで伝えています。

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アイテム4「学級マスコット」


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 日本にはゆるキャラが各地域に存在し、愛され親しまれています。
そんなマスコットキャラクターが教室にいてもいいのではないでしょうか。人形やぬいぐるみを用意しましょう。実際に「学級マスコット」がいてくれると大変便利です。黒板に吹き出しを書いてみたり、授業の中で教師が腹話術のように使うことで、学級マスコットは学級の一員のように扱われ、なくてはならない仲間となっていきます。

「給食はカレーだね」
「遠足、いってらっしゃーい」

などの担任とは異なる角度からアプローチすることで子ども達に元気を与えることができます。
子どもたちはマスコットが大好きになり、摘んできた花で着飾らせてくれたり、折り紙でつくった兜を被らせてくれたりします。お楽しみ会で写生大会が開かれることも。マスコットに話しかける子どももいて、その存在は日ごとに大きくなっていきます。

 これらのアイテムは、費用対効果が高く、効果テキメンです。何より子ども達の笑顔が生まれます。4月は笑顔でスタート。素晴らしい1年を過ごせますように。

八神 進祐やがみ しんすけ

公立小学校教諭。1988年愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。現在は文部科学省より在外教育施設派遣教師としてチェコ共和国で教鞭を執りながら、チェコ政府公認「チェコ親善アンバサダー」としてチェコと日本の架け橋として活動中。グローバルティーチャーのコミュニティ『X海研』を主催し、世界各国の教師と連携しながら、国際的な視野を持つ日本人教師を目指す。
教育論文入賞多数。第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネット主催フォレワンGP初代MVP。著書に『今すぐ真似したくなる 教室のひみつ道具図鑑』、編著書に『学級経営のモヤモヤについて、現場教員がとことん考えてみた。』(いずれも明治図書)。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より授業力アップ動画を、X(旧Twitter)では「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。

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