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国語教育
2005年8月号
一時間で国語力をつける授業開発
刊行:
2005年7月8日
ジャンル:
国語
対象:
小・中
明治図書
加藤辰雄先生の論文「クイズ、言葉あつめ、ゲームで片仮名言葉の決まりを覚える」に、次のように書かれた箇所がある。「ライオン」「うし」「カンガルー」「コアラ」「いぬ」などの例を使って「片仮名で書く動物と平仮名で書く動物があること」(85ページ)を確認したあとに於ける問答である。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
教師「黒板に書いてある動物の名前を見て、気づいたことを
発表しましょう」
子ども「片仮名の動物は、外国にいる動物です」
子ども「でもライオンやカンガルーは日本にもいるよ」
教師「ライオンやカンガルーは動物園などにいるけれど、
外国から連れてきたんだよ。だから、外国にいる動物
だね」
子ども「平仮名の動物は、日本に昔からいる動物です」
子ども「『ももたろう』の話に、いぬ・さる・きじが出て
くるよ」
子ども「『金たろう』の話には、くまが出てくるよ」
教師「日本に昔からいた動物は平仮名で書くんだね」
子どもたちに、片仮名で書く動物名にはきまりがあるこ
とに気づかせる。 (85ページ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここで提示されている「きまり」によると、「北極熊(白熊)」は「ホッキョクグマ(シロクマ)」と片仮名で書く動物だということになる。なぜなら、「動物園などにいるけれど、外国から連れてきた」動物であって「日本に昔からいた動物」ではないからである。マダガスカル原産の「ワオキツネザル」も同様である。つまり、「くま」や「さる」は平仮名で書くが、「ホッキョクグマ」や「ワオキツネザル」は片仮名で書くのが「きまり」なのそうだ。また、この「きまり」によると、「象」を「ぞう」と書くのも誤りということになってしまう。
しかし、これは明らかにおかしい。国外から入ってきた事物と日本語に借用された単語というレベルの違うものを混同した議論である。
2006/6/8
みゅうみゅう
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教師「黒板に書いてある動物の名前を見て、気づいたことを
発表しましょう」
子ども「片仮名の動物は、外国にいる動物です」
子ども「でもライオンやカンガルーは日本にもいるよ」
教師「ライオンやカンガルーは動物園などにいるけれど、
外国から連れてきたんだよ。だから、外国にいる動物
だね」
子ども「平仮名の動物は、日本に昔からいる動物です」
子ども「『ももたろう』の話に、いぬ・さる・きじが出て
くるよ」
子ども「『金たろう』の話には、くまが出てくるよ」
教師「日本に昔からいた動物は平仮名で書くんだね」
子どもたちに、片仮名で書く動物名にはきまりがあるこ
とに気づかせる。 (85ページ)
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ここで提示されている「きまり」によると、「北極熊(白熊)」は「ホッキョクグマ(シロクマ)」と片仮名で書く動物だということになる。なぜなら、「動物園などにいるけれど、外国から連れてきた」動物であって「日本に昔からいた動物」ではないからである。マダガスカル原産の「ワオキツネザル」も同様である。つまり、「くま」や「さる」は平仮名で書くが、「ホッキョクグマ」や「ワオキツネザル」は片仮名で書くのが「きまり」なのそうだ。また、この「きまり」によると、「象」を「ぞう」と書くのも誤りということになってしまう。
しかし、これは明らかにおかしい。国外から入ってきた事物と日本語に借用された単語というレベルの違うものを混同した議論である。