- 学級経営チェックポイント
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チェックポイント
- 雨の日の「安全」
- 雨の日の「遊び」
- 雨の日の「心」
雨の日の「安全」
まず、雨の日に留意しなければならないのは「安全」です。廊下が濡れて滑りやすくなっていることや登下校の歩行の仕方、傘の扱い方など指導すべきことが多くあります。ただ、教師が一方的に伝えても指導効果が薄いものになってしまうかもしれません。
そこで、まず子どもたちに「雨の日に、嫌なことってないかな?」と投げかけ、出されたものを「安全」「遊び」「心」に分けて、板書していきます。「嫌なこと」という投げかけだと、人間は本能的にネガティブなものに注目しやすいという心の動きがあるので、多くのものが挙がることでしょう。
ただ、そのままだとネガティブなままに終わってしまうので、これをポジティブに裏返していきます。そのために有効なのは「だからこそ」という言葉です。「雨の日に滑りやすいのが嫌だ」という意見が出たら、それを「だからこそ…」でつなげられるかを考えさせます。例えば、「雨の日は滑りやすい。だからこそ、いつも以上に慎重に歩こう」となります。教師が言うのではなく、子ども自身が言えることが大切です。
雨の日の「遊び」
雨の日には、外で遊ぶことができません。特にアクティブな子にとってはストレスがたまります。その気持ちを、上の「嫌なこと」の投げかけで出し尽くさせ、しっかり受け止めます。そして、同じように「だからこそ」でつなげさせることによって、どのように対処していくのかを考えさせるとよいでしょう。「遊び」という子どもにとっては重要度の高い問題であることから、「だからこそ」の先の言葉は、隣同士やグループで考えさせてもよいかもしれません(感染症対策の度合いにより、ロイロノート・スクールなどを利用して集約させる方法も考えられます)。
「○○ができない」というネガティブな思考から、少しでも内遊びの楽しさに注目をしたり、読書に挑戦したりという方向性が出てきたら、大きく認めたいものです。このようにネガティブな状況を裏返すことは、大げさに言えば人生において重要なことだからです。また当然、学級経営上も大切です。例えば今後、クラスで交友関係の問題が起きた、行事の練習で行き詰まった…このようなときに、ネガティブをポジティブに裏返すことのできたこの経験を想起させていきたいものです。
雨の日の「心」
雨の日は、セロトニンの活性が抑えられ、大人でも憂鬱な気持ちになります。ここについても、上記の「だからこそ」を使って例えば、「暗い気持ちになる。だからこそ、笑顔や前向きな発言を増やしていこう」とするのはクラス全体として必要なことです。
ただ、それとは別に、個のケアが重要になる時期でもあるのです。ある子は、4月から違和感はあったけれど、何とかGWまで頑張って、その「心」の貯金でGW後もここまで頑張れました。ただ、その「心」の貯金もついに尽き、雨がちなこともあって、登校を渋るようになっているかもしれません。お休みだった子には体調だけでなく、そのような「心」の疲れがないか、ていねいな家庭連絡が必要になるでしょう。
そこまででなくても、疲れやストレスがたまっている子が多くなる時期です。小まめなコミュニケーションを個別に取っていき、夏休みまでにその不安が少しでも小さくなるようにしていきたいものです。