著者インタビュー
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国語授業の悩みも吹き飛ぶシンプルな原則!
文部科学省教科調査官水戸部 修治
2011/7/4 掲載

水戸部 修治みとべ しゅうじ

文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官。小学校教諭、県教育庁指導主事、山形大学地域教育文化学部准教授等を経て、平成20年10月より現職。専門は国語科教育学。平成10・20年版『小学校学習指導要領解説国語編』作成協力者。主要学術論文として、「国語科授業改善システムの構築に関する考察」「ベルリン市の基礎学校における『PISAスーツケース』の活用状況と日本版開発の可能性」ほか。

―言語活動の充実が「活動あって学びなし」にならないように、と言われますが、授業がなかなかうまくいかないという声も聞きます。国語の授業づくりのコツがあれば教えて下さい。

 あります。ポイントはたった1つ。「言語活動を、単元を貫いて位置付けること」です。子どもが楽しくてきちんと力のつく授業をつくるには、国語科ではどんな言語活動をどう位置付けるかが決め手です。国語科で言語活動なんて、今までもやってきたけど……。と思われるかもしれませんが、単に活動させるだけでは効果がありません。ここが難しいところですね。

―本書で強調されている“言語活動のG.P.S.”とはどういうものでしょうか。

 国語科では、単元のねらいをきちんと実現するために言語活動を位置付けるのですから、言語活動の選び方が大事になります。その時の秘訣がG.P.S.です。言語活動を通してねらうG(グレード)、言語活動を行うP(プロセス)、そして言語活動のS(スタイル)を明らかにして、付けたい力にぴったりの言語活動を選びましょう。

―では、明日からの授業づくりをどこから始めていけばいいでしょう。

 国語科の授業づくりの原則はシンプルです。@単元で付けたい力を見極めて、Aそれにふさわしい言語活動を位置付け、Bその活動が確実にできるためのより具体的な能力をリストアップし、Cそれに応じた指導過程を構想する。それが「単元づくりの4つのステップ」です。

―「パーフェクトガイド」と銘打った本書の読みどころを教えてください。

 本書には、そんな「マチガイのない授業」の事例が盛りだくさんです。しかも、授業の展開が、イラスト図解で一目でわかるようにしていますから、単元の授業イメージがパッと浮かんできます。きっと、明日からチャレンジしてみたい授業のモデルが見つかるはずです。このほかにも、読みどころはたくさんあります。子どもたちが活発に思考・判断・表現できる発問やワークシートの事例、タイプ別の子どもへの支援、簡単に作れて機能的な年間指導計画例やそのポイントなどなど。楽しくて力のつく授業づくりを目指す先生方へ、確かな情報をお届けします!

―最後に、読者の皆さんに一言メッセージをお願いします。

 本書を参考に実践すれば、まず子どもが変わります。今日よりも明日へ、半歩でも一歩でも前へ進もうとする先生方を応援するため、渾身の力を込めて作った小学校国語科の授業事例集の決定版です。是非手に取ってみてください。

(構成:佐保)
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