著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子ども達とどのように関わっていくのかを考え続けたい
立命館小学校教諭糸井 登
2013/6/7 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は糸井登先生に、新刊『糸井 登―エピソードで語る教師力の極意』について伺いました。

糸井 登いとい すすむ

1959年生まれ。京都府の公立小学校に27年間勤務した後、2010年から私立・立命館小学校に籍を移す。教育研究会「明日の教室」代表。「NPO法人・子どもとアーティストとの出会い」理事。編著に、『シリーズ 明日の教室1〜5』(ぎょうせい)、監修に『DVD・小学校におけるコミュニケーション活動シリーズ』(ジャパンライム)がある。
ブログ:学校から新しい風を! http://susumu.exblog.jp/

―本書は、「エピソードで語る教師力の極意」シリーズの1冊で、糸井先生の教師人生を支えてきた方法や発想を、具体的なエピソードをまじえて語っていただく書籍になっています。まず、先生にとっての「教師力」とはどのようなものでしょうか。

 とても一言で言い表せるものではありませんが、敢えて言うならば、子ども達との関わり方だと思います。教師がどのように子ども達と関わっていくのかによって、子ども達は大きな違いをみせます。教師のちょっとした一言が子ども達を大きく伸ばしたり、反対に意欲をなくしたり・・・。どのように子ども達と関わるのかが、日々試されているのだと思います。

―Q1で先生があげられた教師力を身につけていくには、どういったことが大切と思われますでしょうか。

 自分の言動を常に振り返ることだと思います。「今の言葉かけで本当に良かったのか?」「同じ行動を他人が見ていてもできるのか?」といった自問自答を繰り返すことが大切です。また、いろんな教育書に目を通し、信念を持って取り組むことや多くの方法を学ぶことが大切だと思います。

―糸井先生がこれまで教師をされていらっしゃる中で、「転機」と言える場面が幾つかおありかと思います。一つあげるとすれば、それはどのようなことでしょうか。

 様々なアーティストの方と出会い、一緒に授業を行ったことです。本書でもいくつかの事例を紹介しましたが、絶対に手を抜かず仕事に打ち込まれる姿、子ども達からアイデアや思いを引き出そうとされる姿から多くのことを学びました。こういった学びは、その後の子ども達との関わり方に大きな影響を与えてくれました。

―教師生活は、「大切な出逢い」に彩られていらっしゃると思います。その中で、糸井先生にとって印象深い出逢いを一つご紹介下さい。

 一つだけと言われれば、藤川大祐先生(千葉大学教育学部教授)との出会いです。本書の中でもふれましたが、藤川先生からは「教師一人で全てを背負い込まない」「外部の方と繋がり一緒に授業を創ってく」といったことを学びました。いろんな意味で、伸び悩んでいた自分の背中を押していただいたと思っています。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします!

 現場では、教師が「知っているか」「知らないか」だけで、子ども達への対応が変わってくることがたくさんあります。だから、教師はその恐ろしさを知り、学び続けることが大切だと思っています。たくさんの本を読み、たくさんの先生の話を聞くことが大切です。この本が少しでも先生方の参考になれば嬉しいです。

(構成:及川)

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