著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
図工で育つ力は見逃せない!
名古屋市立筒井小学校長赤尾 重雄
2015/2/13 掲載
 今回は著者を代表して赤尾重雄先生に、新刊『楽しいアイデアいっぱい!小学校図画工作ザ・ヒット題材』について伺いました。

赤尾 重雄あかお しげお

生まれも育ちも名古屋っ子。妻と2人の子、趣味はゴルフと読書。昭和54年、愛知教育大学の美術科を卒業して、名古屋市立の小学校に赴任。教務主任時代の平成14〜16年度に名古屋市造形研究会の委員長を務める。平成25年から現任校に赴任。平成26年度名古屋市造形教育研究会会長。(もう一つの顔として、名古屋水泳指導者協会の会長でもある。)

―ズバリ、小学校の図工授業では、子どもたちに何を学ばせればよいのでしょうか。

 学習指導要領にも各学年で学ぶべきことが書かれていますが、一口で表わすのは難しいですね。ただ、図工の授業では、子どもの思いや願いを大切にその具現化を支援すること、一人一人の子どもが自分らしさを発揮することができる題材を選ぶことが大切だと思われます。そして何より、美しいものを素直に美しいと感じられる感性を育ててほしいものです。

―本書は、図工・美術を専門としない先生を意識してつくられたそうですね。そのために本書をつくる上でどのような工夫をしていますか?

 専門書のように堅苦しくならないように、できるだけ写真を多くすること、そして、専門以外の方にも分かりやすい文章表現を心掛けることを基本のコンセプトとしました。さらに、学習指導要領に合わせた目標設定、材料・用具、場面ごとの主な発問などを示し、どの方にも無理なく授業に取り組んでいただけるものと自負しています。

―本書で紹介している題材の中から、4月の授業開きにピッタリの題材ベスト3を教えてください。

 4月は何かとあわただしく、じっくりと授業に取り組むことがたいへんな時期です。短時間題材で、手軽な材料、そして学年の基礎となる技法を身に付ける題材という意味で、あえて選ぶなら、低学年は24〜25頁の絵画「ぐるぐる ぴったんこ!」、中学年は76〜77頁の工作「エイ!エイ!ゴー!!」、高学年は62〜63頁の立体「本物そっくりに」がお勧めです。

―本書は、名古屋市造形教育研究会のメンバーによるよりすぐりの題材集ですが、研究会の活動内容や、次回の研修会をご紹介いただけますか。

 本研究会では、庶務、広報、研究、事業の4つの部会があります。本研究会のホームページも開設しています。なお、一大イベントとして、毎年8月上旬に夏の造形研修会を開いています。外部講師、あるいは研究会員による公開授業や模擬授業、外部の方をお招きしての講演会が主な中身です。

―最後に、全国の読者の先生方へ向け、メッセージをお願いします。

 国語や算数、理科といった主要教科?!ばかりに目が向けられているような風潮があり、図工・美術を愛する一人として、悔しい思いをしています。しかし、感性、自己表現力、粘り強さなど、図画工作で育つ力は決して見逃せないものばかりです。本書を読まれた先生が図工が好きになり、そして一層図工好きな子どもたちが増えることを期待しています。

(構成:木村)
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