著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
体育授業のつくり方がわかる! マネジメント術
新潟県新潟市立山田小学校小林 治雄
2016/5/13 掲載
今回は小林治雄先生に、新刊『○×マンガでわかる! 体育授業が必ずうまくいくマネジメント術』について伺いました。

小林 治雄こばやし はるお

1972年新潟生まれ。関東短期大学卒業。新潟市立山田小学校教諭。新潟市マイスター教員。新潟学校体育研究会幹事長。研究教科は体育。

―本書はマネジメントをテーマにした本とのこと。体育というと運動のさせ方が大切なのかと思ってしまうのですが、そうではなく「マネジメント」がテーマなのはなぜですか?

 運動のさせ方は、1つの領域、1つの運動だけで終わってしまいますが、マネジメントは、どの領域、どの運動においても、使うことができます。
 実際、運動のさせ方の本を読んで、授業で行ってみても、なかなかうまくいかなかったことがあります。それは、授業を行う先生のマネジメントがうまくいっていなかったからであると考えます。
 だから、本の内容を「マネジメント」を主としました。

―そうだったのですね。その授業マネジメントで先生が大切にされていることを教えてください。

 授業マネジメントは、子どもの思考をスムーズにし、動きを習得しやすくします。
 授業マネジメントはたくさんあります。私は、その中でも次の4つに関わることを大切にしています。

1 動きの習得に関わること
2 時間の配分に関わること
3 場づくりに関わること
4 仲間づくりに関わること

 詳しい内容については本書に書いてありますので、ぜひ、お読みください。

―はい! 本書では50のテクニックが紹介されています。ずいぶんたくさんあるのですね。特に先生が大切だと考えていらっしゃるものがありましたら、1つ教えてください。

 授業マネジメントは、どれも大切です。特に1つに決めることはできません。なので、私が授業マネジメントについて学ぶきっかけになったものを挙げたいと思います。
 それは、「子どもと目線を合わせる」ことです。元筑波大学附属小学校教諭の木下光正先生が授業で見せてくださいました。目線の高さを合わせることで、子どもが安心して話すことができる環境をつくっていました。
 ちょっとしたこと…でも、大切なこと…それが、授業マネジメントなのです。

―また、本書右側に入っている「×」「○」マンガ、とてもわかりやすいですね。×が思わずしてしまいがちなダメポイント。○がおススメポイントですか? このイラストは先生が描かれたのですね? 読者の先生にイラスト通して伝えたかったことなど教えてください。

 はい。私が描きました。本文とイラストの両方を手掛けるという経験はそうそうありません。とても貴重な経験となりました。
 授業画像で紹介できれば一番よいと思うのですが、なかなかそのような場面を実際の授業の画像で紹介することは難しいです。それは、教師にとっては○であっても、子どもにとっては×であることがあるからです。
 イラストで伝えたかったことは,

1 教師の意図と子どもの動きにはズレがあるということ
2 そのズレを少なくするために,授業マネジメントが有効なのだ

ということの2点です。
 そんなズレをイラストから感じ取っていただけるとうれしいです。

―最後に体育の授業を上手になりたい!と頑張る先生へのメッセージをお願いします。

 私もまだまだですので、すばらしい言葉は言えません。ただ、伝えられることは、たくさん本を読むこととたくさんの授業を見ることを大切にしてくださいということです。
 体育科教育のスペシャリストが書いた本では、動きのポイントや運動のさせ方を多く学ぶことができます。そして、授業では、どのように子どもの「わかる」と「できる」を増やしたり、「わかる」と「できる」をつないだりしているのかを学ぶことができます。特に、授業を見ることは大切です。
 私は、指示の仕方だけでなく発問の仕方を、場の作り方だけでなく場の使い方を見るようにしています。子どもの「わかる」と「できる」をどのようにつないでいるのかについて見ることで、自分の授業に生かしやすくなり、授業力は確実に向上するものと考えます。
 私は、もっと子どもの「わかる」と「できる」を増やせるようになりたいです。お互いがんばりましょう!

(構成:坂元・佐藤)

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