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子どもは「泳げない」状態から練習を始めるので、無我夢中で自分の姿勢や動きを意識する余裕がなく、できているのかも自分ではわかりません。そこでペアの友達が補助をすると、姿勢が安定し、動きを意識して練習ができるので、大変効果があります。また、グループで学び合うと、友達に応援をされたりアドバイスをされたりするので、大変励みになります。その結果、子どもにとって「できる、わかる」楽しい水泳の授業になるのです。
リズム水泳は、リズミカルな曲に合わせて、友達と一緒に水に潜ったり浮いたり、手のかきや足のけりなどの泳ぎにつながる動きをしたりします。子どもは、音楽に合わせて運動したり、友達と一緒に活動したりすることが大好きです。授業の始めにリズム水泳を行うと、低・中学年の子どもも水泳が苦手な子どもも、今もっている力で水中で活動する楽しさを味わうことができ、「リズム水泳大好き!」という声が聞かれる大変効果的な活動です。
泳げないうちは、無我夢中で「がむしゃら泳ぎ」になりがちですが、水泳は水をかいたり蹴ったりして進む運動なので、水を捉えるためには「ゆっくりとした動き」が大切です。そこで、クロールではけ伸びの姿勢から「1(片手をかく)、2(前に戻す)、パッ(もう片方の手をかきながら呼吸をする)、4(顔と手を戻す)」と1つ1つの動きをかけ声にして、ペアの友達に声をかけてもらいながら練習することで、動きを身に付けやすくなります。
まず環境面です。例えば濡れた素足で歩くプールサイドに危険な箇所やすべりやすい箇所がないか、事前に裸足で歩いて安全確認をします。次に個人差への配慮です。同じ水温・気温でも、子どもによって体調の変化は様々なので、常にペアで健康観察をさせます。活動中は安全監視が大切です。教師のうち1名はプール全体を見渡せる位置に立って安全監視をします。事前に活動ごとの役割を分担し、教師全員で確認しておくことが大切です。
楽しい水泳授業のために、まず子どもが「今日はこれが楽しみ!」と思える活動を取り入れましょう。本書には、リズム水泳や、グループで楽しめる活動がたくさん載っています。次に、どの子も「今日はこの泳ぎができたよ!」という達成感が味わえる練習を工夫しましょう。本書には、ペアの補助や声かけを活用した段階的な練習と、水泳の特性をやさしく解説した「なるほどポイント」がたくさん載っていますので、ぜひご活用ください!