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- 著者インタビュー
- 教師力・仕事術
時間術を学ぶ目的は、大きく2つあります。
1つは、「時間を生み出す工夫」を知るためです。
時間は、生み出すことができます。
同じぐらい多くの仕事を抱えているのに、ある人は余裕で日々を過ごし、ある人は忙しくしている。
その明暗は、「時間を生み出す工夫」を知っているかどうかで分かれるのです。
2つめは、「時間の上手な使い方」を知るためです。
時間を生み出しても、使い方が下手だと、結局その時間は無駄になってしまいます。
実は、この2つめの要素を教えてくれる本はあまりありません。
本書はどちらの要素も大切にし、様々な工夫を紹介しています。
会議をはじめとした拘束時間の使い方は大切です。
内職はしませんが、その会議に沿った仕事を終わらせていくようにします。私の場合、拘束時間にできる仕事は、その拘束時間にしかしない、と決めています。
例えば、新年度に職員会議があるなら、あらかじめ、その職員会議の議題に沿ってできる仕事を考えておきます。
そして、会議の提案に沿ってその場でできる仕事をやってしまうことで、拘束時間を有効に活用しているのです。
大切なのは、「自分のやりたいことに時間を割く」という考え方です。
私の場合は、子どもとコミュニケーションをとる時間がとても大切だったので、それに時間を割くことにしました。
そこで、あらかじめ「休み時間は子どもと過ごす」と決めたのです。子どもと遊ぶ時間を「予約」したわけです。
そして、「今日はこの集団とコミュニケーションをとったから、明日は別の集団…」といったように、コミュニケーションのとり方も工夫しました。
新しい教材や授業づくりなど、創造的な仕事に対する時間の使い方は難しいものです。
「とりあえず考えてみよう」と動き出したものの、よいアイデアが1つも浮かばず、時間を無駄にしてしまった、ということがないでしょうか。
本書では、そういった事態に陥らないようにするための様々なアプローチを紹介していますが、1つの考え方として、「創造的な仕事は寝かせる」という発想が非常に大切です。
今の学校現場には余裕がない、とよく言われます。
確かに、学校では突発的な仕事が数多く発生します。
ただでさえ予定が詰まっているのに、そこに突発的な仕事が加わり、さらに余裕がなくなるのです。
しかし、余裕のある教師も確かにいます。
しかも、数多くの仕事をこなしながら、余裕たっぷりなのです。
その工夫を本書から探り出し、1つでも多く活用してみてください。
余裕が生まれると、教師生活は豊かなものになります。