- 著者インタビュー
司書教諭の仕事の対象は、教職員と子供です。教職員・子供が学校図書館や図書館資料を活用できるようにする、つまり、教職員・子供と学校図書館をつなぐことが、司書教諭の仕事です。つなぐためには、職員会議での提案、学習活動や読書活動の支援、環境整備などを計画的に進める必要があります。計画、そして提案・実施を通して、子供はもとより、教職員とも深く関わっていくことが、司書教諭の仕事の魅力でもあります。
学校図書館は、子供にとって豊かな感性と知的好奇心が刺激される空間です。司書教諭はそのことを常に念頭に置くようにしたいものです。4月、子供は、新しい教室、友達、先生に出合います。期待と不安が交錯した時期でもあります。このような時期に、学校図書館で、ホッとしたり、好きな作家や知識にわくわくしたりできたら、嬉しいですね。
すべての司書教諭は、司書教諭である前に、担当している授業を組み立て、生徒指導や生活指導を日々進める教員です。一つの単元を見通したときに、学校図書館を活用したらより子供が目を輝かせ意欲的に学ぶ時間はどこだろうかと、考えてみてください。目の前の子供には、どんな本を出合わせたいのかと想像してみてください。その延長線上に、全校の児童生徒がいるのです。児童生徒を教える教員がいるのです。目の前の子供と、全校の子供は、別々ではありません。
言語活動は、さらに重視されます。子供が主体的に学ぶために、図書館資料が整備されている学校図書館を、授業の場として選ぶ教員が増えてくるでしょう。そのとき、学校図書館が教室の延長線上であったら、授業がしやすいですね。授業時間は限られています。いつも当たり前に活用している教室にある設備は、学校図書館でもあってほしいと思いませんか。ひとクラスの子供分の机椅子、ICT環境、ホワイトボードなど、授業ができる環境をぜひ、考えてみてください。
司書教諭の仕事を始めるということは、全校の教職員や子供に関わることです。関わりを通して、司書教諭自身の見方・考え方も広く・深くなっていきます。それは、自身の授業づくりにも跳ね返ってきます。ぜひ、意欲的に関わりをもってくださいね。