- 著者インタビュー
- 授業全般
新学習指導要領で求められたアクティブ・ラーニングを学校全体で進めるためには、二つのことが必要となります。初めに、汎用的能力の内容を確定し、それらを学習の基盤として身に付けられるようにカリキュラムを組んでいくことが必要です。汎用的能力の中でも主要な内容となるのが言語能力や思考力です。次に、これらの能力は、教科等だけでなく、あらゆる場面で活用すべきものですので、いつも参照できる状態にないといけません。学習指導要領に指摘されている環境整備の問題です。このようなことに正面から回答したものが本書です。
内容は、ラーニング・スキル、シンキング・スキル、ランゲージ・アビリティを包含しています。初めに、学習を進めるラーニング・スキルと多様な場面で必要なシンキング・スキルとシンキングチャートを位置付けています。次に、言語能力を育成するために、話す、聞く、話し合う、書く、読む領域の内容を位置付けています。
ポスターとして教室や廊下等に掲示したり、ポイントシートのプリントとして配布したり、指導のために先生が手持ちで指導資料として活用できます。いつも手元に、目について、繰り返し必要な内容を参照できるように、しかも児童生徒が見て理解できるようにチャート化していますので、大いに活用してください。
『学力がグーンとアップする!自学力育成プログラム』井上一郎、永池啓子共編(2014)、『読解力を育てる!小学校国語 定番教材の発問モデル 物語文編』、『同 説明文編』(2015)、『読書活動でアクティブに読む力を育てる!小学校国語科 言語活動アイデア&ワーク』井上一郎編、古川元視著(2015)、『小学校国語 「汎用的能力」を高める!アクティブ・ラーニングサポートワーク』(2015)、『アクティブ・ラーニングをサポートする!学校図書館活用プロジェクト 掲示ポスター&ポイントシート事典』(2017)のようなアクティブ・ラーニングに関する本を刊行しています。
30年も前に、国は、学習指導要領の中で自ら学ぶことを重視する学力観に大きく舵を切りました。少しずつその考え方は肉付けされ、実質化するように教育改革を行ってきました。今改訂のアクティブ・ラーニングは、グローバルな時代に対応したとても重要な学力です。学校全体で先生方一人一人が自覚し、協力し合い、成果が出るように頑張ってほしいと強く願っています。