- 著者インタビュー
- 音楽
「音楽あそび」というと、「音楽づくり」の分野のことと思われることが多いですが、本書では、表現領域のすべての分野と、鑑賞領域の活動における遊び的な要素を取り上げています。つまり、いろいろな音楽活動を常時的に扱っていくことを示しています。
「音楽あそび」は、短い時間で継続することで、子どもの音楽的な資質・能力を高めることができます。また、「遊び」の本質が、くり返しても飽きず、主体的・創造的にふくらんでいくこと、また、友達とコミュニケーションを図っていくことにあることを考えると、常時的に扱うと、子どもが友達と協働しながら音楽に親しんだり、音楽に対する様々な視野を広げたり深めたりすることができると考えています。
一つには、一つの「音楽あそび」を1時間の中で、順番に行っていくこともできるように示しています。
一つの題材の中で、今日は(1)を導入の部分で行い、次の時間は(1)の発展的な内容を行う、などというように、題材の中で展開していくこともできます。
また、今日は(1)のみ、次回は(2)で、というように内容を順序立てて分けて行うこともできます。
さらに、同じ内容を音楽の毎時間の始めや終わりに行うこともできれば、アイスブレイクとして扱うこともできます。
音楽の授業とは別に、朝の会や帰りの会、ちょっとした隙間の時間に扱うこともできます。
いつも行っている朝の会に変化をつけたい時などにも、応用できると思います。
次期学習指導要領は、学ぶ内容には、大きな変化はありません。したがって、内容としては、そのまま扱えます。また、次期学習指導要領は、子どもの資質・能力を三つの柱に整理し、主体的・対話的で深い学びによる学びの質的向上をねらっています。「音楽あそび」は、その柱の一つである「知識・技能」を、子どもが主体的に無理なく身につけられるような展開になっています。得た知識や技能を活用して「考えながら」次の活動へ発展するようになっており、友達と協働してその解決に当たる内容がふんだんに記されています。
一方、カリキュラム・マネジメントも進められていますが、その中で「音楽あそび」は、短い時間に効果的に学習する内容や、他教科とつなげられる内容も示されています。それらを生かしていただければ、とてもうれしいです。
音楽の授業は、むずかしい‼という声を聞くこともあります。あまり、考えすぎず、まずは「音楽あそび」で子どもと一緒に音楽を楽しんでほしいと思います。そこで、きっと子どもがいろいろなアイデアを持ち出してくるでしょう。なぜなら、遊びですから、当然です。そこから、学習のねらいに即したものを拾って広げて深めて、子どもと一緒に学んでいってほしいと思います。
音楽するとは、プレイ ミュージックです。楽しみながら学ぶ姿勢を忘れずに、本書を活用していただけたらと、願っています。