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- 著者インタビュー
- 学級経営
私は、小1担任は、子どもたちをいつも温かく照らす「おひさま」のような存在であれと思っています。1年生の子どもたちは、小学校に入学してきたとき、まだ6歳です。たった6年間しか生きていません。ほとんどの場合、「しない」「やらない」のではなく、「知らない」「わからない」のです。小1担任がおひさまのように子どもたちを温かく包み込み、安心と信頼をたっぷりと感じさせてあげてほしいと思っています。
1年生であっても、正しい行動の価値や意味を、実はよくわかっています。ですので、例えば「廊下は走ってはいけません」と一方的に伝えるのではなく、「どうして廊下は走ったらいけないのかな?」と、その価値や意義を考えさせたり、気づかせたりするような指導をするよう心がけています。そうした指導を続けていくことで、様々な場面において、自分の頭で考えて正しい判断をするようになっていくと思っています。
私が最も大切にしているのは、「子どもたちと良好な関係を築くこと」です。下を向いているコップにいくら水を注ごうとしても入っていかないのと同じように、子どもたちと良好な関係を築いていないと、どんな話をしても、何をしても、その子の心には入っていきません。本書でも紹介している「見取りプリント」「おしゃべりタイム」「あのね帳」などの取り組みを通して、良好な関係を築いていくよう努めています。
保護者の気持ちに寄り添って、丁寧な対応を心がけることに尽きると思います。「教育」は「共育」。保護者は、子どもを共に育てていくパートナーです。特に1年生は、勉強面でも生活面でも、保護者に協力していただくことが多くあります。「共育」を心がけ、保護者と良好な関係を築いていくことが大切です。
1年生の子どもたちは、まるで宝石の原石のようです。どの子もキラキラと輝き、可能性に満ちあふれています。小1担任の先生方には、そんな素敵でかわいらしい1年生の子どもたちとの日々を、ぜひ思いきり楽しんでほしいと思います。本書が、小1担任の先生方のご指導・ご実践のヒントになれば、これにまさる喜びはありません。