20日の読売新聞の記事によると、国内で3台しか残っていないとされるグランドピアノ「フッペル」を使った特別授業が、鳥取県日野上小学校で行われたとのこと。
「フッペル」ピアノは、ドイツの町工房での製作のため大量生産されておらず、国内には3台しか残っていないとされている。そのうちの1台が、日野上小学校の体育館にあり、現役で使われているのだ。
「フッペル」ピアノをめぐっては、戦争にまつわるこんな歴史が残されている。
昭和5年、佐賀県の鳥栖町婦人会が「子どもたちに本物の音楽を聞かせよう」と、鳥栖国民学校にドイツ製のグランドピアノを寄附した。現在では1億円相当の額を寄附金として集めたそうである。
その後、太平洋戦争中の昭和20年に、出征を控えた特攻隊員2人が、「思い切りピアノを弾いて死にたい」と鳥栖国民学校をたずねてやって来た。彼らは音楽学校の生徒で、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を弾き、翌日、沖縄へ飛び立ったそうである。
今回の特別授業では、元同校教師の三森不二夫さんが、「フッペル」ピアノで「感激の征途」という曲を演奏した。三森さんは、国内で3台目になる日野上小の「フッペル」ピアノを発見された方だが、実はこの「感激の征途」の曲は、三森さんが児童として日野上国民学校に在学していた頃の恩師、梅林強輔さんが、出征への思いを込めて書いた詞に、同校の音楽教師田辺重雄さんが作曲したもの。梅林さんは、昭和20年に、戦艦大和の乗組員として戦死している。
戦後60年以上過ぎ、戦争を体験している方々も少なくなってきているが、「フッペル」ピアノは今後も、子どもたちに平和を伝えていくだろう。
※記事内容に一部誤りがございました。誤:佐賀県→正:鳥取県でした。お詫びして訂正いたします。(2007/8/27)
右、左とかじゃない、新しい観点で話し合えたらと思います。
そういえばこの前の朝の連ドラもピアノに戦争ネタでしたね。ドラマではなかなか結婚できなかった桜子が、最近、あっさり結婚しちゃってビックリしたけど。
私も中学の映画鑑賞で観ました。