漱石文庫が里帰り―生誕140周年事業が続々
今年は、文豪・夏目漱石が牛込馬場下横町(現・新宿区喜久井町)で生を受けてから140年、朝日新聞に入社しプロの作家になってから100年というメモリアルイヤーです。それを記念して各所で記念行事が開かれているのですが、ご存知でしょうか。今回は、展覧会や講演、クイズ大会など、これからでも間に合う漱石関連のイベントを紹介したいと思います。
文豪・夏目漱石―そのこころとまなざし― |
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江戸東京博物館 |
11月18日(日)まで 開館時間や休館日はリンク先でご確認下さい。 |
今回の目玉はなんといっても漱石文庫の凱旋です。漱石文庫は、弟子の小宮豊隆が漱石の蔵書約3,000冊を太平洋戦争時の空襲から守るために、東北大学図書館へと移したものです。ここでしか見ることのできない直筆原稿や書簡、メモ書き等があり、漱石研究者にとってはメッカとなっていました。なかなか見ることのできない資料を閲覧できる貴重な機会ですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
他にも、松山・熊本時代のゆかりの品や、漱石のデスマスク、漱石が活躍した時代の東京の紹介など、様々な企画が用意されています。ファンはもちろん、学校で『こころ』を読んだ経験しかないという方でも楽しめる内容になっていそうです。 |
秋の日、漱石三昧 |
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新宿紀伊国屋サザンシアター |
10月27日(土) 13時30分(開場13時) |
一度に3つの企画を味わえるお得なイベントです。講演は『こころ』に画期的な読みを加えた漱石研究の第一人者・小森陽一さん、漱石の趣味である落語を演じるのは初の女性真打ち桂右團治さん、朝日新聞時代の第一作品『虞美人草』を朗読するのは熊沢南水さんと、豪華メンバーの競演でまさに漱石づけの一日が過ごせそうです。 |
漱石ものしり博士認定試験 |
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新宿区立中央図書館 |
11月4日(日) 午前10時から |
クイズで漱石に関する知識を競うイベントです。大人向けの例題を見てみると「漱石の名前は誰から譲り受けた?」とあり、なかなかの難問。みなさんは分かりますか? 成績優秀者は5000円分の図書券がもらえるので、新宿区立図書館を利用されている漱石ファンは挑戦してみてはいかがでしょうか。申し込みの〆切は10月15日(必着)です。 |
新宿区立図書館では、今後も夏目房之助さんによる講演や、映画化された漱石作品の上映会など、漱石関連のイベントを予定しています。 |
他にも、漱石の異色短編集『夢十夜』を、十人の監督で撮影したオムニバス映画『ユメ十夜』のDVDも発売されており、こちらもお薦めです。
漱石の作家人生は約10年という短いもので、残された作品も多くはありません。それでも全ての作品に文学的価値が認められており、いまだに研究が絶えないのですから、彼の偉大さがうかがえます。季節はちょうど読書の秋。子どもにとっても先生にとっても、漱石作品に触れる良い機会となるのではないでしょうか。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
幾つもある中で、ここの銅像が男前ですね。
DVDどうなんでしょうね!気になります。