きょういくじん会議
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新・保育所保育指針が「告示」
kyoikujin
2008/4/10 掲載

 改訂学習指導要領が告示された3月28日、保育所保育指針(PDF)
も改定され官報に告示された。同指針はこれまでの局長通知から大臣が定める告示という位置づけになった。そのぶん内容は基本的な事項にしぼって分量を約3分の1にするなど大綱化・スリム化がなされ、同日付けの「解説書」(PDF)で留意事項などの詳細が公表された。

 「保育の質の向上」ということを主眼とした主な改善項目は以下のとおり。

1.保育課程の編成を義務づけた
2.保育士・保育所の自己評価を努力義務とした
3.施設長の責務を明確化し、職員の資質向上のための研修機会を設けるなど環境整備についても示した

 「保育課程」の編成に関しては、中期的・短期的・個別的な「保育計画」の上に位置づけられ、それぞれの保育所独自の組織性・計画性を高めることが図られている。学校ごとの「教育課程」を編成することとほぼ同じことと考えられる。
 「自己評価」や「研修機会」なども、各保育所独自の課題等に対応するために施設長の責任のもとでそれぞれの計画が作成されることが求められてくるだろう。

 この他にも、保護者支援や保小連携を明確に位置づけるなど意欲的な改善内容が目立つ。以前の記事でも話題になった「保育所児童保育要録」の参考様式も示され、自由記述欄を多くとるなど、現場の裁量に任される部分も大きいことがよくわかる。

 一部には、行政側の締め付けがきつくなり、自由な保育実践が妨げられるなどの批判もあるが、いずれにせよ、保育現場の創意工夫なくしては同指針の精神も活かされないのではないだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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