
今まで以上に厳しい警戒体制がとられ、異例な視点から世界の注目を集めてきた聖火リレー。5月2日には、ついに開催国中国での出発を迎えました。スポーツを通じて世界の平和を願うオリンピックですが、1998年の長野での開催を原点とした、オリンピック開催地の子どもたちに引き継がれているオリンピック恒例のムーブメントがあるのをご存知でしょうか?
近代オリンピックの始まり
日本オリンピック協会(JOC)の記事によると、「近代オリンピックの父」と呼ばれるのは、もともと普仏戦争の影響もあり知識の詰め込み形であった自国フランスの教育に改革を起こすべく活動をしていた、ピエール・ド・クーベルタン氏。各国を視察して回るうちに、スポーツを教育に取り入れる必要性に気づき、それが転じて国際交流や平和というスポーツのもうひとつの意味を含んでいったようです。
以下のオリンピックのあるべき姿、「オリンピズム」を提唱したのも、このクーベルタン氏です。
スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する。
長野オリンピックから引き継がれる「おもてなしの心」
1998年に行われた長野オリンピックが原点となり、今やオリンピックの恒例となっている子どもたちのムーブメントがあります。それが、長野国際親善クラブの提唱により長野市内の小中学校で始められた「一校一国運動」です。
一校一国運動とは、その名の通り、ひとつの小もしくは中学校が、ひとつの相手国を選び、その国の人々と手紙やメールなどで交流したり、選手を迎え入れて応援するという取組み。昭和小学校や芋井小学校などでは、恒例の交流会が今でも続けられており、毎年4月に行われる「長野オリンピック記念 長野マラソン」の招待選手たちが、今年も各校を訪問しました。
北京オリンピックに向けても、一校一国運動が盛り上がりは例外ではありません。近年は、政治との関わりが色濃くなっているとも言われ、これまで通ってきた国々では、激しい抗議行動により負傷者が出る事態などもありました。選手や観客の安全などを考慮し、今まで以上に警備体制もしかれているようですが、長野オリンピックで培ったおもてなしの心や平和への願いを、世界の子どもたちが引継ぎ、選手や観客たちが安心して試合に臨んだり観戦したりできるように、周りの大人たちや訪問者側も、選手や観客を暖かく迎え入れ、見守って欲しいと思います。
- ギリシャ選手団と子どもたち交流(信濃毎日新聞)
http://www.shinmai.co.jp/news/20080422/k-1.htm - 聖火リレーに見る「国家像」(産経新聞)http://sankei.jp.msn.com/life/education/080428/edc0804282254001-n2.htm
http://japantousa.seesaa.net/