- きょういくじん会議
中学校数学科では、来月からいよいよ、新学習指導要領の先行実施による移行措置がスタートする。授業時数の増や、学年・学校間での学習内容の移動、指導方法の改善など、様々な変化への対応が要求されることになる。
授業時数増も学習内容も増
中学校数学科では、平成21年度は第1学年と第2学年において新指導要領に基づく学習が行われる。ただし、第2学年は一部の内容が第3学年に移動されるだけで年間の授業時数にも変化がないため、実質的には第1学年のみに適用されるかたちだ。
第1学年では、年間の授業時数がこれまでの105時間から140時間と、35時間の増になる。これに伴って「資料の散らばりと代表値」(「資料の活用」領域)の単元が新設されることをはじめ、各単元に新たな学習内容が加えられる。
授業時数が増えても、学習内容も大幅に増えているため、新指導要領で強調されている、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得等を保証するには、1年間を見通した綿密な指導計画が要求されることになりそうだ。
学習内容の移動に要注意
今回の改訂で算数・数学科では、学年や、小・中学校間をまたいだ学習内容の移動が多くみられる。
中学校から小学校に前倒しされる学習内容だけでなく、より注意したいのが、小学校で学習してくる内容が年度によって異なるという点である。新年度を迎えるに当たって、小学校の移行措置の概要(PDF)も必ず確認しておきたい。
指導方法の改善で効率的な学習を
先述の通り、授業時数は増えたものの、学習内容も増えているため、ゆとりをもって指導に当たることができるとは考えにくい。ただ、指導方法を改善することによって、より効率的な学習が可能になると考えられるものもある。
例えば、「資料の散らばりと代表値」の学習の中で、同じ資料に関して階級の幅の違うヒストグラムを複数作成する際、手書きではなく、市販されている表計算ソフトなどを活用することによって、比較的短時間のうちに作成することができる、といったことがある。