- きょういくじん会議
突然ですが、皆さんは、「おまえ、いいかげんにしろよ」といった男性的な言葉を使う女性をどう思うだろうか。全然気にならないという人から、できれば女性的な言葉を使ってほしいと感じる人までさまざまだろう。最近こういった男性言葉を使う小中高生が増えているという。
言葉が中性化?
17日の産経新聞の記事によると、旺文社が実施した「第6回ことばに関するアンケート」(PDF)で、男性言葉を使う小中高生の女の子が3割いることがわかったとのこと。
このアンケートは、旺文社が実施している『実用日本語 語彙力検定』の受験者に対して行ったもので、回答者は小学生が約7割、中学生が約2.5割、それ以外が高校生等といった内訳で、男女の割合は約半々。今回は、言葉の美醜について調べたという。
調査結果を見ると、子どもたちの言葉に関する考えがわかり興味深い。例えば、男性語と女性語は異なると考えている子どもは約7割にのぼっており、多くの子どもが男女の言葉の違いを感じているようだ。しかし、実際に使う言葉は、女性語を使う男の子や男性語を使う女の子が増えており、言葉が中性化してきているという。
例えば、「このカレーライスうまいね!」という言葉。この言葉は、「男の子、女の子、どちらの話し方だと思いますか?」という質問に対し、約65%の子どもが、男の子と回答している。しかし、33%の女の子が、このような言葉を使うと回答。また、「おまえ、いいかげんにしろよ!」という言葉は、約78%が男の子の言葉と回答しているが、約27%の女の子がこのような言葉を使うと回答している。男の子が使う言葉と意識はしていてもつい使ってしまったり、別に使っても構わないと思ったりしている女の子が増えているということだろうか。
きれいな言葉を使う人は?
このアンケートでは、きれいな言葉づかいで話す人についても調査されている。その中でも、興味深いのは、「あなたの近くで、きれいなことばづかいで話す人はだれですか?」という質問。この質問に対する回答で、「学校の先生」と答えた子どもは、約3割。7割が学校の先生に対して、それほどきれいな言葉を使っていないと感じているとは、アンケートの方法もあるので、一概に言い切れないが、「きれいな言葉を使う人=学校の先生」というわけではなさそうだ。
また、「きれいなことばづかいをしている有名人」も同時に調査されている。第1位に輝いたのは、エド・はるみ。昨年の活躍が影響していそうだ。20位までにランクインしている人の中には、漢字の誤読で有名になってしまった麻生首相や独特の話し方をするDAIGOなどの名前もあり、子どもの感覚でおもしろい。
「ら」抜き言葉に始まり、言葉にまつわる問題はさまざまある。このようなアンケートをきっかけに、大人も子どもも言葉づかいについて、見直してみるのもいいだろう。