きょういくじん会議
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オススメの「和」体験―東京発・伝統WA感動
kyoikujin
2009/9/18 掲載

 今、映画界では時代モノがぞくぞくと公開されているようだが、映画に限らず、ファッション、食など、「和」のブームというのは割りとコンスタントにきている気がする。

 かくいう教育界でも、今回の指導要領改訂で各教科「伝統と文化の尊重」がうたわれているのだが、しかし一口に「伝統」といっても、どうやって伝統にふれればいいのか… 日本にいるにもかかわらず、なかなか気軽に「伝統」にふれる機会がないのが現状だ。
 そこで本日は「東京発・伝統WA感動」というプロジェクトを紹介しよう。

 このプロジェクトは、東京都と財団やNPO等が協力して立ち上げた「東京文化発信プロジェクト」の活動の一つで、8月28日から11月21日までの会期で色々なジャンルの伝統芸能を公演するフェスティバルだ。8月からのスケジュールをチェックしてみると、邦楽、日本舞踊、落語、民俗芸能、と、様々な伝統が体験できるラインナップとなっている。また開催趣旨にも「子どもたちが伝統文化に触れられる機会を増やそうという」とあるとおり、子どもはチケット1000円という公演も多いお手軽さ。
 で、実際の公演はどんな感じなのか。難しいのでは? 退屈してしまうのでは?という声も聞こえそうなので、ひとつ体験の感想を書こう。実は、8月末に公演された「邦楽入門コンサート」に私も行ってみた。

 8月末の邦楽の公演は4回連続の開催で、私が行ったのはその最終日。最後ということもあって、「これで君も邦楽“通”」というタイトルのもと、「長唄」「囃子」「清元」「端唄」「筝曲」の各ジャンルの名曲が披露された。また各演奏の前には、演奏者自らが聴き所や楽器の特徴を説明してくれるという配慮。確かに、何の前振りもなく聴かされるといつの間にやら夢心地…なんてことになってしまうのだが、やはり聴き所を事前に教えてくれるレクチャーコンサートは初心者にはおすすめだ。
 長唄だか端唄?の歌詞の中で、「コレラでやられる…」という件があったのだが、よくよく聴いていたら、そこを「インフルエンザで…」とアレンジするなどの即興があったり、楽器のお値段や組み立て方など面白話を披露したてくれり、公演後には清元の三味線を実際にさわれる演奏体験コーナーがあったり、と、聴衆の興味を引くような工夫もそこここに。
 10月以降も、まだ三つの公演が残っているので、是非芸術の秋と洒落込んで「伝統」を体感してみてはいかが。

 今回紹介したイベントは、東京都が主体となって活動しているプロジェクトだが、都や県など、行政が関わっているイベントは、子ども向けに内容を工夫したり、お値段も手ごろだったり、とお得なイベントが結構ある。チェックしてみると、掘り出し物が出てくるかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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