- きょういくじん会議

気象庁は10日、ラニーニャ現象が発生しているとみられる、と発表しました。ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象と同様、異常気象の原因の一つと考えられています。ラニーニャ現象が発生すると、西日本から沖縄・奄美地方を中心に、残暑が厳しくなる、という傾向も見られるそう。
8月も後半ですが、まだまだ暑さ対策は必要そうな今年です。
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の海面水温が基準値より0.5度以上低い状態が半年以上続くことをいいます。ラニーニャ現象の原因は、太平洋の赤道付近の東風(貿易風)がいつもの年より強く吹くこと。強い東風によって、西側(インドネシア付近)に暖かい海水が寄せられ、東側(南アメリカ付近)の水温がいつもより低くなるのです。西側では積乱雲の活動が活発になります。「ラニーニャ」は、スペイン語で「女の子」の意味。
エルニーニョ現象は、ラニーニャ現象とは逆で、同じ太平洋赤道域の海面水温が0.5度以上高くなることをいいます。原因もラニーニャ現象と逆で、東風がいつもの年より弱く、西側の暖かい海水が東の方に広がり、東側の海面の水温がいつもより高くなるのです。「エルニーニョ」は「男の子」の意味。エルニーニョ現象は、冷夏の原因になると考えられています。
原因はともかく、実感として暑い今年、暑さの被害として、熱中症での死者も132人(今月15日までの消防庁調べ)と例年よりも多くなっています。
日本体育協会のHPでは、熱中症対策8カ条を公開。熱中症は熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病に分類されます。各症状の様子と、救急処置の仕方などが掲載されています。
暑いときにはこまめに水分補給をすることが大切なのはご存知と思いますが、忘れがちなのが塩分補給です。汗には水分とともに塩分も含まれており、塩分が不足すると熱疲労からの回復が遅れてしまいます。水分の補給には0.1〜0.2%程度の食塩水が適当だそう。水だけしか補給しないと、血液の塩分濃度が低下して、足、腕、腹部の筋肉に痛みをともなうけいれんを引き起こしてしまうことにもなります。
熱中症は、室内にいてもなってしまう可能性のあるものです。スポーツしないからといって、油断はできません。
また、ラニーニャ現象が発生した年の冬は、冬型の気圧配置が強まり、東日本から沖縄・奄美地方にかけて気温が低くなる傾向があるそうです。今年は猛暑に続き、厳冬かもしれません。
- 熱中症環境保健マニュアル(環境省)
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html