きょういくじん会議
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新たなビジネスの担い手―高校生のチャレンジに注目!
kyoikujin
2010/10/15 掲載

 12日の読売新聞によると、佐賀県の商業高校でネット上にショッピングモールを開設する動きが盛んになっているとのこと。ショッピングモールには主に各高校の地元にある実際の企業が出店していて、扱っているものは違えど、一般の企業が運営するショッピングサイトと比べてもなんら違和感なく買い物を楽しむことができます。

 例えば唐津商業高校のからつ学美舎のホームページを覗いてみると、そのレイアウトも本格的。生徒が主体となって模擬会社を運営し、役割分担がなされ、驚くことに社長まで。商業高校などでは自ら作成したものを直接お客さんに売ることがありますが、ショッピングモールの運営は、そうした販売だけではなく参加企業とのやり取りや様々な商品の売れ行き管理など、実に多様な学びがありそうです。ネットでのビジネスはいまや当然のように行われ、今後も重要度が下がることはないと思われるなかで、高校生にとっては貴重な体験となりそうです。
 また出店企業としても、売り方の選択肢が広がったり、こうした珍しい取り組みに参加することで知名度が上がったりと利点は多いように思われます。実はこうした取り組みは佐賀県だけでなく、全国の高校で次々と取り入れられています。

ビジネスのアイディアを競う

 他にも高校生とビジネスをつなぐ取り組みがあります。高校生のビジネスに対する意識を高める目的で開かれている、大阪商業大学主催の全国高等学校ビジネスアイディア甲子園です。「こんな商品・サービスがあったら必要とされるのでは?」というアイディアを高校生が出し合い、優秀であったりユニークだったりしたアイディアを表彰する大会です。
 審査基準としては、

・他の事例との違いがあるか(新規性・着眼点)
・ニーズがあるか(市場性)
・収益をうむか(実現可能性)
・アイディアの内容を的確に伝えることができるか、またアイディアにかける熱意(表現力)

といったことが挙げられています。
 年に1回開催され、今年も開催。残念ながら今年の応募は締め切られてしまいましたが、グランプリが決まるのは12月の半ば。どんなユニークなアイディアが出てくるか、結果が楽しみですね。
 ちなみに昨年グランプリに選ばれたのは、音楽療法配信サービスというもので、精神的あるいは肉体的に疲れている人をネット上で音楽療法士が診断をしながら、その顧客(患者)にもっともあった音楽を提供する、というもの。実現も十分可能で、必要とする人も案外多いのでは? という気がしてくる面白いアイディアではないでしょうか。

 ネットでのショッピングモールもアイディア甲子園も、目先の利益を稼ぐためではなく、将来に健全なビジネスを行える人材の育成が目的。こうした取り組みに触れ、早くからビジネスに高い意識を持った学生が将来実社会で働くことを楽しみに待ちたいと思います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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