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理科は「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」で小、中体系化―指導要領改訂案
kyoikujin
2008/2/21 掲載
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  • 学習指導要領・教育課程

 授業時数や内容の大幅増で「ゆとりからの脱却」といわれる今回の改訂案。その象徴的存在ともいえるのが小中学校の理科だ。授業時数は小学校で18%、中学校で33%も増加し、現指導要領で削除された内容の多くが復活する。そればかりが話題になりがちだが、今回は「4つの概念の柱」の新設など、別の改訂点について触れてみたい。

 この4つの概念の柱とは、「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」。これらの概念を柱にすえることで、小学校、中学校と一貫性のある体系だった指導ができるようにすることがねらいだ。現在の指導要領では、小学校は大きく3区分、中学校は2区分に分けられていたが、小学校も2区分とし、「エネルギー」「粒子」で1区分、「生命」「地球」で1区分が構成されることになる。もともと、理科では「物化生地」という領域分けを用いることも多く、4つの概念もそれと異なるところはないのだが、一定の概念を背景として学習する意義は大きいだろう。

 このほかに言語力や活用力の育成の観点から、小学校6年の目標に「推論」が、中学校でも分野目標に「分析・解釈」が新たに規定された。

 以前の記事でもお伝えしたように、中学生になると理科嫌いが増えるという国立教育政策研究所の調査もある。また、PISAの科学的リテラシーの順位が2位から6位に落ちるなど学力低下の問題もある。単純に授業時数や内容を増やすだけではこれらの問題の解消は難しいかもしれない。概念の柱の新設や、「推論」「分析・解釈」の規定などの改訂案もあいまって、理科教育がよりよくなることを期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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