
- 算数熱中授業づくり
- 算数・数学
熱中授業づくりのポイント
- ずれを生じさせる問題提示
- 視覚を通して理解を深める比較検討
「比」の導入で、ドレッシングを素材とする授業がよく行われます。例えば、酢2カップとオイル5カップでつくったドレッシングと同じ味の様々な量のドレッシングをつくろうというもの。このドレッシングは「比」の概念形成を図るにはよい素材なのですが、1つだけ問題点があります。それは、同じ味であるかどうかの判断を味覚に頼るしかないということです。つまり、いくら数値上同じであっても、それを検証するには曖昧な味覚に頼るしかないので、子どもにとって実感の伴った理解になりにくいのです。概念形成の導入では実感の伴った理解は欠かせません。では、どうすれば実感の伴った理解ができる「比」の導入授業ができるのでしょうか?
味覚では同じであることを検証しにくいという問題点を考えるとき、視覚で検証するという代替案が頭に浮かびます。そこで、図形を比の導入の素材として用いることを考えてみます。つまり、同じ“形”にするのです。
ずれを生じさせる問題提示
@〜Bの3つの紙の中から1枚を選び、同じ形の日の丸をもう1つつくりたいのですが、どの紙を使えばよいか考えてみましょう。

それぞれの長方形の縦と横の数値を最初は提示せず、どの紙を選択するのかを、まずは見た目のみで判断させます。
このように、子どもたちは、まず視覚でとらえて縦と横の長さのバランスを考え、同じ形であるかどうかを考えます。しかし、数値を与えると、視覚で判断した長方形とは異なり、Aが急増します。このずれが子どもの問いを引き出し、主体的な問題解決に向かわせます。
C日の丸とBの辺の長さの差が、縦も横も9cmで同じだからです。
差が共通…縦/30−21=9(cm) 横/45−36=9(cm)
CAにも辺の長さに共通点があるよ。日の丸の辺の長さは縦も横もAの1.25倍になってる。
倍が共通…縦/30÷24=1.25(倍) 横/45÷36=1.25(倍)
このように、数値を与えたことで、「差による見方」と「倍による見方」の2つの見方が生まれ、視覚での判断に揺らぎが生じました。ここから、どちらの見方が適切かということに焦点化され、学級全体で「『同じ形』とはどういうことか?」を追究する活動を展開していきます。
視覚を通して理解を深める比較検討


このように、子どもたちは、「差による見方」の不適切性を、数値だけでなく図を用いることで、視覚でも判断していきます。



この授業は、視覚で理解するということに重点を置いて行いました。子どもの視覚にどのようにうったえるか。算数の授業づくりに欠かせない視点の1つです。