初任者指導の仕事を始めて、3年目になった。
1週間に一度、初任者の教室で一日過ごし、さまざまな助言をする仕事である。
退職するまで37年間、担任として「授業をする」立場で過ごしてきた。今回「授業を見る」立場へ転換して、今まで見えなかったことがさまざまに見えてきた。実に、新鮮な経験である。
何が見えてきたのか。
初任者のクラスは、七、八割が荒れる。その原因が見えてきたのである。
それは、決して授業の良否ではないということであった。今まで常識みたいに言われ続けていたことが、実はそうではなかったことに気付いたのである。では、それは何なのであろう。私は、次のように言っている。
クラスを荒らさない方法は、実は「学級づくり」とその「学級づくりの仕方」にある。
子供たちは、担任がきちんと教室に秩序立ったシステムを確立してくれることを願っている。だから、教室の一日が、その秩序立ったシステムでスムーズに動いていくことが大切になる。
ところが、初任者のクラスは、しばしば立ち止まり、空白の時間を作り、実にギクシャクしてしまう。その積み重ねが、クラスを不安定化し、荒れを招いてしまう。
私は、「授業は一生懸命がんばればいい。でも、テンポ良く。だが、学級づくりは手を抜けない。スピード、テンポ、リズムを大切にスムーズに進んでいく学級経営を心がける必要がある」と助言する。
今担当している初任者は、実に落ち着いたクラスを作り上げた。ベテランのクラスと比べても、まったく遜色がないクラスになった。
コメントの一覧
1件あります。
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- 名無しさん
- 2011/5/23 20:45:27
さすがですね。自分の職場に初任者がいます。自分の思うように子どもが動かないので、子どもを叱咤激励しています。「できる状態にして、ほめる。」こっちのほうがいいのになあと思いますが。さすがです。学級経営に問題があったのですね。納得。
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