1.小学校3年生で無理なくできる、観光まちづくりの授業
小学校3年生の社会科や総合的な学習の時間では地域教材を扱う。
子どもたちは、鯖江藩主間部氏の菩提寺「萬慶寺」を訪れ、住職の話を聞いたり、重要文化財の絵を見たりした。また、「うるしの里会館」では「河和田ぬり」の歴史や製造工程を調べたり、地元伝統工芸士による作業工程を目の前で見たりした。さらに、実際に、漆器に絵を描く体験もした。その他、「めがね会館」に行き「鯖江の眼鏡」の歴史や製造工程を調べたり眼鏡のストラップづくりをしたり、「王山古墳」で調べ学習もした。
3学期。鯖江市の観光資源についてさらに調べ学習をして情報を集めた後、観光パンフレットを作成して発信する実践をした。
私は、この実践を通して、「鯖江市の魅力を伝えることができる子ども」「鯖江市を誇りに思う子ども」を育てたいと考えた。
右の作品は、子どもたちがつくった観光パンフレットである。
2.単元構成
(社会科+総合的な学習の時間「鯖江市の魅力をみんなに伝えよう」10時間)
@鯖江市の観光資源に関する情報を集める。(1時間)
A鯖江市の観光資源について調べる方法を検討する。(1時間)
B聞き取り調査をした情報をグループで交流する。紹介したい鯖江市の観光資源に関して、「福井県観光写真素材集」を使って調べる。(2時間)
Cキャッチフレーズをつくる。(総合的な学習の時間・1時間)
D「福井県観光写真素材集」を使って、パンフレットに必要な写真を集めたり、観光資源に関する情報を調べたりする。(総合的な学習の時間・2時間)
E「鯖江市の観光資源」をPRする観光パンフレットをつくる。
(社会科・1時間、総合的な学習の時間・2時間=3時間)
3.子どもたちの感想と観光まちづくり教育の魅力
観光パンフレットを仕上げた後の子どもたちの感想を紹介する。
★「鯖江市で勉強して、見て、楽しもう!!」のキャッチフレーズを書くとき、最初「学ぼう」も入れていたけど、長いからやめました。その代わり、「楽しもう」にフワフワをつけて目立つようにしました。うまく目立ちました。
★「王山古墳」には49の古墳があることを知って、ヘエ〜と思いました。そこで、空中から見た写真をはることにしました。「西山公園」は、つつじがきれいなだけなくお祭りもしているので、そのようなことがわかる写真をえらびました。「めがね会館」は、自分で体験できることを文章にしました。「うるしの里会館」も自分で体験できることと、完成した作品を写真でわかるようにしました。
★鯖江市にはもっと楽しいところがたくさんあります。「王山古墳」、「西山公園」、「めがね会館」、「うるしの里会館」だけでなく、「すりばちやいと」など、いっぱいあります。わたしも鯖江市のすごさにおどろきました。鯖江市が好きになりました。
この感想に見られるように、鯖江市の魅力をさらに知ったことで「鯖江市が好き」になった子が増えた。子どもたちの感想を読んでいて、観光まちづくり教育は、地域のよさ・すばらしさを発見する、地域を誇りに思う、すばらしい学習であると思った。
また、学習指導要領「社会科」の第3学年及び第4学年の目標には次のように書かれている。
(2)地域の地理的環境、人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるようにし、地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。(太字:上木)
子どもたちの感想を読んでいて、観光まちづくりの授業は学習指導要領にマッチしていると言える。また、授業をしてみて、今までの社会科の授業にはないワクワク感を感じられることがわかった。ダイナミックさも感じた。観光まちづくりの授業は、これからの社会科の授業を大きく変える魅力ある授業なのである。
子どもが自分の地域に誇りを持てる。
そして、やりがいを見出していくであろう実践だと思いました。
また、それぞれの授業で、やることがはっきりしており、子どもは取り組みやすかったことと思います。
観光まちづくりの授業の優れたモデルになる実践です。
また、パンフレットにまとめるという活動により、全ての学習がまとめられていくのがよいです。
観光まちづくりの授業で悩んでいる時には、ぜひ取り組んでほしい実践です。