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なぜ、自分たちでそうじするのか
多くの国では、学校の掃除は子どもたちがしません。清掃会社の人などが掃除をします。
しかし、日本の学校では子どもたち自身が掃除をします。もしかすると、この習慣こそが、自分のためだけでなく、人のために働くことができ、規律正しい日本人を称賛する外国人が多い原因の1つかもしれません。
自分たちの場所は、自分たちできれいにする。
この行動を通して、働くことの大変さや爽快感を実感させ、人のために働く奉仕の精神や、人と一緒に何かをする際の協調性などを培っているのです。
形から入って、心を学ぶ
かつて私が勤務していた学校に、以下のような合言葉がありました。
そうじは だ、い、じ
「だ」は、だまって。
「い」は、いっしょうけんめい。
「じ」は、時間いっぱい。
だまってやると、どんどん掃除が進み、効率性を実感できます。
一生懸命やると、達成感が得られます。
自分の持ち場が終わっても、時間いっぱいやるという意識があると、自然と他の場所にも手伝いに行き、人助けのよさを知ることができます。
形から入って、心を学ぶのです。
ローテーションの仕方
掃除のシステムを考えるうえでまず頭を悩ませるのが、ローテーションの仕方ではないでしょうか。おそらく、1週間交替で持ち場を変えるケースが一番多いことでしょう。
しかし、1週間交代にとらわれる必要はなく、1か月交替でも、1学期交代でもよいのです。
同じ持ち場を掃除し続けると、その場所に愛着がわき、掃除以外のときにも大切にするようになります。掃除の時間の子どもたちの目は、真剣そのものです。
ただし、持ち場を決めるときは、不公平が生じないよう十分に気をつける必要があります。例えば、教室掃除を嫌う子どもは少なくないはずです。
学級会を開いて話し合う、くじ引きにする、など決め方はいろいろありますが、いずれの方法でも、一人ひとりが(100%満足とは言わないまでも)納得できるように慎重に決める必要があります。
また、同じ持ち場を長く担当させるのであれば、子どもたちのモチベーションを維持するためのしかけも必要になります。
おすすめなのが、プロ制度の導入です。持ち場の掃除を黙々とがんばり続けている子どもに、全体の場で、
「あなたを教室のドアのレール掃除のプロと認めます」
などと称賛し、下のような認定証を渡します。
認定証をもらった子が「大変だったけど、がんばってよかった」と喜ぶのはもちろん、それを見た学級の他の子どもたちの刺激にもなります。
ただし、この制度を導入するのであれば、教師は子どもたちの姿をしっかりと見とる必要があります。不公平に認定証を与えたりすると、「なぜ同じ場所で同じようにがんばっているのに、うちの子はもらえないんですか」といった保護者からのクレームを招く恐れがあるので注意してください。