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この時期の子どもたち
家庭学習、つまり宿題というものに対して、保護者の気持ちが同じであると思っていませんか?
様々な子どもたちがいるように、その倍もいろいろな保護者の方々がいらっしゃるのです。宿題に対する認識の仕方も多様です。宿題を出すならば、そのことを頭に置いておかないと、効果も上がらないし、子どもが必要以上につらい目に遭うこともあります。
担任が気をつけたいポイント
宿題は必ずしていくもの!…とすべての保護者が思っているわけではない
例えば、おうちで音読しておうちの方に聴いてもらうという宿題を出したとします。ハンコも押してもらうようにしたとします。ところが、保護者によっては、子どもにハンコを渡して、「自分で押しておきなさい」と、おっしゃる方もいるのです。ホントですよ。お母さんがそう言ったと、僕に直接、伝えてきた子どももいるのです。
なぜ、自分の子どもにとってマイナスになることなのに、そんなことをされるのでしょうか。それは、子どもの音読を聴くのが面倒だからです。
「そんなことは、親として間違っている」などという理想論を振り回していては、子どもに学力はつけられません。
宿題のあることを保護者に隠す子どもには?
宿題を出せば、保護者は分かっていないといけないと思っている先生は、多いようです。
中高学年の宿題嫌いの子どもは、なんとかして宿題をごまかそうとします。いずればれて、かえってすごく叱られることが分かっていても、ともかくその場をやり過ごそうとするのです。ですから、隠しますよ、宿題のあることそのものさえも。
そのようなことが考えられる場合は、毎週末などに配布する保護者に渡す通信などを利用すると良いでしょう。隠せないですから、そこに、いつ、どういう宿題が出ているかを書けばいいのです。
宿題をさせるのに、鬼のようになる保護者もいらっしゃる
あまり難しい課題を出すと、保護者によっては必死になられて、子どもに強いプレッシャーを与えることがあります。
ご家庭で、「こんな程度のことが、どうしてできないの!?」「できるまでは、寝させませんからね」と、子どもたちが半泣きでさせられているという話をよく聞きます。
宿題は、子どもが楽しんで自力でできる範囲にとどめることと、家庭でしかできない調べ物などに限定する方が良いと思います。多くの子どもが自力で解けないようなものは、宿題には適さないものです。
多賀先生からのワンポイントアドバイス
子どもの学力は、学校でつけるのが基本です。漢字の反復練習も、計算のトレーニングも、家庭学習で定着させようとする限り、するおうちとしないおうちとの格差は広がるばかりです。基礎トレーニングだからこそ、学校でする時間をとるべきだと思います。
ただし、低学年では、子どもたちに簡単で楽しく、必ずできるような宿題を出して、毎日家庭学習を自分でする方向へ育てていくことは必要だと思います。家庭学習の習慣を身につけさせるためには、宿題ができる達成感が必ず得られて、楽しめる程度の時間内で終わるものに限ることです。