- はじめに
- 第1章 玉置流 スクールリーダーの時間術の原理原則
- 時短術だけが時間術ではない
- 誠意はスピードに表れる
- 様子見は禁じ手と心得る
- ピンチのときこそ悠然と構える
- 第2章 繁忙期を難なく乗り切る時間術
- 「年度末から新年度開始前まで」の乗り切り方
- 「年度当初」の乗り切り方
- 「組織運営が軌道に乗るまで」の乗り切り方
- 「1学期末」の乗り切り方
- 「夏休み明け」の乗り切り方
- 「行事集中期」の乗り切り方
- 「年末・年始」の乗り切り方
- 「人事の季節」の乗り切り方
- 「卒業式前」の乗り切り方
- 第3章 ピンチを素早く切り抜ける時間術
- 地域,保護者からクレームが来たら…
- 教職員が不調を訴えたら…
- 教職員が不仲になったら…
- 宿泊行事でトラブルが起きたら…
- 子どもが事故を起こしたら…
- 教職員が事故を起こしたら…
- 第4章 日常生活のタイムロスをなくす時間術
- ものの「定位置」を決める
- 「躊躇なく」ものを捨てる
- 「メモの環境」を整える
- 通勤時間に「小さな目標」を立てる
- トイレを「ちょっとした仕事場」にする
- 忘れ物を「しようがない方法」を考える
- 「自分に合ったスケジュール管理」の仕方を見いだす
- 第5章 役職別 毎日の業務がみるみる片づく時間術
- 教務主任
- 年間計画を効率的に作成する
- 月予定を効率的に作成する
- 提案文書を効率的に作成する
- 評価・評定のチェックを効率的に行う
- 時間割調整を効率的にミスなく行う
- 若手教師とのかかわりに時間をかける
- 研究主任
- 研究計画をサクサクつくる
- 研究会議をサクサク進める
- 短時間の研究会議で成果を出す
- 思い切って文書を削減する
- 時間をかけず研究成果を見える化する
- 時を忘れるほど充実した研究発表会をつくる
- 副校長(教頭)
- 任用書類を効率的に作成する
- 職員会議をサクサク進める
- 事務職員とのコミュニケーションで時間を生み出す
- 朝の時間を充実させる
- 手間のかけどころを見極めて地域とつながる
- 先手必勝でPTAと連携する
- 自分の負担を今以上大きくせず,校長に満足してもらう
- かかわる時間を教職員に喜ばれるものにする
- 校長
- 文書を探す時間をなくす
- 電話は待つよりかける
- 来客対応を有意義な時間にする
- 人事面接の時間のかけどころを見極める
- メールにかかわるむだな時間を省く
- 校長会議の記録と伝達を効率化する
- 小刻みな学校評価を行う
- 5分で授業を観察する
- 資料に目を通してもらう工夫を施す
- 手間をかけずに学校ホームページで発信する
- 長いだけで記憶に残らない講話から脱却する
- 時間をかけずに教職員のことを深く理解する
- 「他律的自律」で学び続ける
- 最小限の文房具を定位置に置く
- 第6章 リーダーとしての資質を高めるための時間術
- 教育に関する学びを深める
- 教育界の外の世界を知る
- 非日常の時間をもつ
- 話術とユーモアを磨く
はじめに
明治図書の矢口さんから,「『超』時間術」というキーワードを示され,「本を書いていただけませんか?」と言われたときに,「すでに多くの時間術本が出されているのに…」と思いました。
しかし,あらためて考えてみると,学校現場,特に「スクールリーダー」を対象とした時間術本は目にしたことがないな,と思い直しました。
また,まわりから,「玉置先生は,いったいどのようにしてあれだけの仕事をこなしているのですか。時間の使い方などに秘密があるはずです。今度は,それを本に書いてくださいよ」と,リクエストをいただいていたことを思い出しました。
ご要望をくださった方々,お待たせしました。「仕事に押し潰されず,スマートに学校を動かす! スクールリーダーのための『超』時間術」というタイトルの本書を,世に出すことができました。
振り返ってみれば,教務主任や研究主任など,スクールリーダーという立場になってから,一気に仕事が増えて,時間をうまく使って取り組まないと仕事に押し潰されてしまう状況になりました。教頭職6年,校長職6年という管理職の12年間は,さらに業務が増え,厳しい日々を送りました。
私は,根っからのプラス思考人間です。大変な状況になればなるほど,「アイデアを出して乗り切る機会を与えていただいたのだ」と思い,それぞれの立場でいろいろな工夫をしてきました。そうした工夫をまとめたのが,本書です。
さて,一般的な時間術本の多くは,主に「時間を短縮する術」が紹介されていますが,私は,そればかりではなく,「時間を有意義にする術」「時間をかける術」も,有効な時間術と考えています。
「時間を短縮する術」とは,仕事を効率的に行ったり,問題を長引かせず早期に片づけたりするための時間術です。
「時間を有意義にする術」とは,その時間を他人に喜ばれるものにしたり,自分にとって意味のあるものにしたりするための時間術です。
そして,「時間をかける術」とは,仕事の「量」よりも「質」を高めたり,ミスややり直しを防いだりするために,あえてひと手間をかけるという時間術です。
このように,本書は他の時間術と一線を画す玉置流の定義に基づき,学校現場の実態を踏まえて,様々な時間術を紹介しています。
「繁忙期を難なく乗り切る時間術」
「ピンチを素早く切り抜ける時間術」
「日常生活のタイムロスをなくす時間術」
「役職別 毎日の業務がみるみる片づく時間術」
など,どの章を読んでいただいても,明日からすぐにできる時間術ばかりです。また,最終章の「リーダーとしての資質を高めるための時間術」は,私の研究と修養のための時間術を示した章です。楽しんで読んでいただけると思います。
今回も明治図書の矢口郁雄さんには,大変お世話になりました。このように読みやすくわかりやすい書籍になったのは,なりより矢口さんのおかげです。皆様に自信をもっておすすめできる書籍となりました。
2016年8月 /玉置 崇
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