- きょういくじん会議
13日に文部科学省より「小・中学校学習指導要領の改訂に伴う移行措置についての省令及び告示」が出された。新課程の内容を前倒しして実施することが注目を集めている算数。前倒しでどのように変わるのだろうか。
1.時間数について
移行措置案どおり、来年度から算数の授業時間数は増加する。第1学年は136時間(週4コマ)、第2〜6学年は175時間(週5コマ)となる。他教科はほとんどが新学習指導要領全面実施時(2011年度)から時間数が増加するが、内容を前倒しする算数・数学、理科は移行期からの授業時間増となった。
2.内容について
移行措置の概略(PDF)にもあるように、算数では移行期間の2年間でほとんどの項目が前倒しして実施される。「簡単な3位数(1年)」など、スパイラルな学習を行うため学年間で重複する内容の追加、「小数(3年)」「分数(3年)」など、現行の学年から下学年へ内容が移動、「ひし形の面積(4年)」など、新設された内容の追加が見られる。
「対称な図形(6年)」など、スパイラル・新設の内容の一部には移行措置では実施されず、2011年度からの新課程で行なわれるものもある。
3.算数的活動について
新学習指導要領では、4領域に加えて指導内容に位置づけられた算数的活動。移行措置期間であっても、新学習指導要領に基づいて実施してもよいとされている。
4.入試への影響は…?
中学校入試について、文部科学省は「小学校及び中学校の学習指導要領等に関する移行措置並びに移行期間中における学習指導について」(PDF)の中で、
…平成23年度以降に実施する中学校の入学者選抜における学力検査については、新学習指導要領に定める各教科の内容が出題範囲となるよう配慮すること。…
というように、中学入試にかかわる学力検査の出題内容は児童が履修しているものであるように十分配慮すること伝えている。
移行措置の期間で加わる内容については、補助教材が文部科学省より配布される予定だが、内容は未定。来年度からの実施に向けて学校での準備も必要となりそうだ。