きょういくじん会議
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昼でも夜でも勉強を―24時間ひらく図書館
kyoikujin oec
2008/7/29 掲載
Candida Hofer : Libraries

 全国には、少ないながらも24時間オープンの図書館が存在します。
 山口県萩市のホームページによると、同市の須佐図書館では、24時間利用可能な無人図書館サービスが今年2月に10周年を迎え、記念式典が開かれたそうです。
 また、23日の京都新聞の記事によると、京都大学付属図書館は来年1月から自習室の24時間利用を実施するということ。国内の総合大学としては珍しい取り組みだそうです。

24時間開館の大学図書館

 アメリカでは24時間開館の大学図書館も珍しくないそうですが、学生のマナーが悪いと、仮眠室や食堂代わりとして利用されてしまうという問題もあるそうです。そうならないために、京都大学の今回の取り組みが実際にどのようになるのが注目されます。
 京都大学の24時間開放は自習室についてのみのようで、書庫については言及されていませんが、学習しつつ必要に応じて図書を参考したいという学生の立場になってみれば全館24時間化が望ましいのかもしれません。

24時間開館の公立図書館

 公立図書館については、萩市のほかに長野県川上村図書館でも、95年の開設時より24時間の利用サービスが実施されています。どちらの自治体も、従来の夕方までの開館時間では図書館を利用できない住民が多くなってしまうことへの対策だそうで、地域の住民にも好評のようです。

インターネットで変わる図書館

 いつでも図書を借りたいというニーズは、都市部の人間でも等しく持っているもの。それに応えて、千代田区ではインターネット上の電子図書館の取り組みも行われています。
 3日の産経新聞の記事で紹介されているように、千代田区立千代田図書館では暗号化技術によって複製や保存を不可能にし、著作権に配慮した上で、電子書籍のウェブ上での貸し出しを24時間行っています。※

※千代田区在住もしくは通勤・通学の人のみ

 また、国立国会図書館では、近代デジタルライブラリーというサービスを行っています。これは、明治・大正期の書物をウェブ上で1ページずつ画像として閲覧できるというもので、漱石や鴎外の初版本を見ることもできます。このように、保存状態のために実物を閲覧することが難しい書物をウェブ上で公開することは、世界的にも取り組みが広がっています。

 利用者のスタイルやニーズに合わせた各図書館の変革に、今後も注目が集まりそうです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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