きょういくじん会議
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気温は涼しく心は温か―緑のカーテン
kyoikujin
2008/7/31 掲載

 エコ活動のひとつとして、最近学校でも取り組まれている緑のカーテンをご存知でしょうか。

 緑のカーテンとは、ツル植物で作る自然のカーテンのことです。光をさえぎり、蒸散作用により、葉から出る水蒸気でまわりの温度を下げる効果があります。
 コンクリートの建物などは、直接日にあたるとジワジワと暑くなり、なかなか温度が下がりません。緑のカーテンをすることで、部屋の中のカーテンだけでは下げられない温度も下げてくれるのです。

 日本工業大学の成田健一教授の実験結果からは、緑のカーテンを用いた方が周囲表面温度が低く、体感温度も低いことがわかります。
 気になる照度に関しては、電気さえつけていれば問題ないとのことです。教室は日中に電気をつけているのが普通なので、学校で実施するならばまず問題ないといえそうです。

 注意する点として、緑のカーテンの厚さが通風の阻害要因にならないように、厚さを検討するということを挙げています。

 緑のカーテンは、ゴーヤやアサガオ、ヘチマで作ることが多いようです。緑のカーテンの作り方に、育て方が詳しく書かれています。種から育てる場合は関東地方で3月末か4月末頃、苗の場合は4月から5月下旬です。

 また、6月30日の朝日新聞には、板橋区立高島第五小学校の菊本るり子教諭の体験談も書かれています。緑のカーテンの実践活動を続けるうちに、子どもたちが植物の生命力や命の循環に感動していくようになったそうです。そして、ほんの少しの土を大事にしたり、弟や妹のように植物を世話したりするようになった子どもの姿に感銘をうけて作った歌が、「エコジャパンカップ2007」コンテストで、特別賞を受賞したのです!

 子どもたちに、植物を愛おしく思う機会を与え、教室の気温を下げ、(実のツルなら)秋にも収穫ができてしまう緑のカーテン。来年こそは試してみる価値アリでしょうか。

 なお、上記に挙げた緑のカーテンは、カーテンの厚みのほかにも注意事項がいくつかあります。緑のカーテン応援団のホームページには、大人でもひょっとすると忘れそうなこと、子どもにはきちんと教えておきたいことが書かれているので、参考にしてみてください。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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