きょういくじん会議
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進化する情報教育―最先端の授業と教科書
kyoikujin oec
2008/9/14 掲載
インターネット怖い話 パソコン中毒から逃れるために

インターネットが青少年の生活に浸透していく中で、子どもたちが犯罪に巻きこまれたり、ネット中毒になったりという問題が増えはじめています。
 今月4日から、ニフティ株式会社がインターネットを安全に使うためのドリルをホームページで提供開始しました。
 また、今月7日にはMIAUがインターネットリテラシ読本「”ネット”と上手く付き合うために」を公開しました。

官民協力の情報教育―ニフティと品川区の試み

 今回ニフティが公開したものは、4日のINTERNET WATCHの記事で紹介されているように、今月6月に行われた品川区での情報モラル教育の授業に基づいています。
 これはニフティの提案により品川区独自の教科「市民科」の枠の中で実施されたもので、ネットで詐欺や犯罪にあった例を追体験し、危険性を学ぶという内容。子どもたちのネット利用率が高まるのに合わせて保護者の危機意識を高めよう、という意味もあって実施したということです。
 今回公開されたドリルには学習の手引きとして45分での指導例も掲載されており、すぐに授業に活用することができます。

リアルな子どもに合わせて―MIAUの教科書

 またほかにも、MIAU(無限責任中間法人インターネット先進ユーザーの会)という団体が主導し、ネット社会に精通した人々によって「新しいインターネットの教科書を作ろう」という試みが始まっています。8月7日のITmediaの、MIAU発起人の一人である小寺氏の記事によれば、現在数種類の「ネットの教科書」はあるものの、それらは「的を外している感がある。そこからは、これらを使って学んでいる子供のリアルな姿が想像できない」と、問題点を指摘しています。
 そのような考えに基づいて作られたこの教科書の特長は、従来の同種のものに比べて「子ども目線」であること。質問に答えることで「メールへの依存度」などを診断し、そこから脱却するための方法などを解説。子どもたちが切実に「ネットとの付き合い方」を見つめなおし、改善することができる内容になっています。
 今回公表された教科書は20ページほどですが、これは第一弾。今後も内容を更新・追加していく予定だそうです。

ネットを正しく利用するために

 これらの取り組みは、どれも「ネットを正しく使うための情報リテラシー教育」ということができます。親や教師の世代の人々は、ネットを「よくわからないもの」と捉え、「くさいものにフタ(危険があるならば使わせなければよい)」と考える人もいるようですが、今後の情報化社会の中でトラブルに巻き込まれない大人に育っていくためにも、情報教育の重要性は今後ますます高まっていくものと思われます。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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