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若田光一さんが宇宙へ―授業に取り入れるのはいかが
kyoikujin
2009/3/23 掲載
ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏 [DVD]

 不景気や政治不信など、暗いニュースが続いている。そんな中、最近の明るい話題といえば、若田光一さんの宇宙長期滞在のニュースではないだろうか。さて、若田さんは、3か月という長期にわたってどんなことをしているのだろうか。

若田さん打ち上げ成功! 3か月の任務

 各紙報道によると、日本時間の16日、若田光一さんが乗り込んだスペースシャトル「ディスカバリー」は、無事打ち上げに成功したとのこと。これから、約3か月という長期にわたって、若田さんは宇宙で過ごしながら、ロボットアームの操作や無重力での身体的影響の医学的データの取得など、さまざまな任務を行うという。例えば、骨量減少・尿路結石予防対策実験という実験があるそうだ。これは、骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート)を用いて、長期宇宙飛行の骨量減少と尿路結石リスクを軽減させることができるかを調べるものだという。若田さんは、週1回錠剤を飲み、医学データを測定するという。
 また、長期滞在による時間的余裕から、一般公募で提案された「おもしろ宇宙実験」の実施、全国の学校との交信も予定されているそうだ。「おもしろ宇宙実験」には、1597件のアイデアが寄せられたという。例えば、「練習を積まなければできないバック転は、微小重力ではいったいどうなるのか?」「地上で目の上から落とす目薬は、微小重力環境ではどの方向からさせばうまく目に入るのか?」などユニークなものが多い。これらの実験は、実際に若田さんが行う予定とのことなので、子どもたちとともに見るのもおもしろいだろう。

JAXAの教育事業

 若田さんが所属するJAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)では、さまざまな教育事業が行われている。JAXA宇宙教育センターでは、幼稚園から高校まで、教科や総合的な学習の時間などの時間を使って、連携が行われている。例えば、2008年の長野県下諏訪町立下諏訪中学校とJAXAが連携した授業がある。この授業は、中学3年生を対象に、総合的な学習の時間に行われたもので、テーマは「宇宙から見た森林」。JAXAから提供される衛星データをもとに、データ解析をしたり、JAXAの講師から説明を聞くことで、新たな視点で森林について考えていくものだったようだ。
 それ以外にも、小学2年生以下の児童とその保護者を対象にした体験学習など、行われている事業は幅広い。子どもたちと宇宙を学ぶときに、連携をしてみることもいいだろう。

マンガで宇宙に興味をもつ?

宇宙兄弟 1 (1) (モーニングKC)

 最近では、宇宙を題材にしたマンガも人気を集めている。モーニングで連載中の『宇宙兄弟』(小山宙哉、講談社)だ。このマンガは、二人で宇宙飛行士になろうと幼い頃約束した兄弟の物語。宝島社『このマンガがすごい!2009」のオトコ編では第2位にランクインし、各書店のマンガ担当者などの有志で構成され、マンガ大賞実行委員会が主催するマンガ大賞2009にもノミネートされていることからも、その人気振りがうかがえる。大人向け雑誌に連載されているが、中学生程度ならば十分読める内容となっており、マンガから宇宙に興味をもつきっかけになるのもいいだろう。

 若田さんが宇宙に滞在している3か月の間に、授業で宇宙について取り上げてみるのもいいだろう。夢や希望をテーマに道徳授業で取り上げるもよし、理科との関連で取り上げるもよし、また普段の会話の中に宇宙の話を取り入れることで、さまざまな興味を子どもたちがもつことも期待できそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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