- きょういくじん会議
以前、このコーナーで「管楽器クイズ」なるものをやったが、みなさま、弦楽器に関する知識は如何だろうか。
そこで、本日は弦楽器クイズを出題。
Q1 | ヴァイオリンとチェロ、楽器が大きいのはどっち? |
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Q2 | ヴァイオリンとチェロ、弓の長さが長いのはどっち? |
Q3 | 弦楽器の表板にあいている穴の形はアルファベットの「s」「f」どっち? |
Q4 | ヴァイオリンとコントラバス、祖先は同じ? |
いきなり4連発のクイズだったが、何れも楽器をよくよく見れば分かる(かもしれない)問題にしてみた。というのも、ピアノと並んでポピュラーな楽器の1つであるヴァイオリンなのだが、小・中学校の授業で実際に触ったことのある人は結構少ないようなので。
小・中学校のクラブや部活動も、吹奏楽に比べるとオーケストラ部というのはごくわずか。先生方も、管楽器の経験がある人は結構いるものの、弦楽器となると極端に少ないのでは。
さて、ざっと解答を挙げていく。今一度音楽の教科書を開いて、弦楽器の写真をじっくり見てみよう。
A1 チェロ
これはサービス問題。弦楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの順で楽器が大きくなる。当然、楽器が大きい方が音も低い。
A2 ヴァイオリン
今度はひっかけ問題。意外なことに、チェロよりもヴァイオリンの方が弓の長さは長い。低い楽器ほど弓に張られる毛の量も多く、弓自体のボリュームも出て重くなってしまう分、長さは短くなっている。
A3 f
よく見ると「s」の中央あたりに切れ込みがあるのに気づく。つまり、「s」ではなく「f」の形をしているのだ。その名も「f字孔(えふじこう)」という。一説には「female(女性)」の頭文字ともいわれるが定かではない。確かに弦楽器のボディは女性の体をイメージしているといわれることもあるが…
A4 違う
実は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、とある4種類の中では、コントラバスだけ祖先が違うのだ。コントラバスの祖先はヴィオル族であり、他の3つはヴァイオリン族。大きさの違いだけで一見どれも同じように見えるが、よくよく見比べてみると、コントラバスは胴がなで肩なのに気づくはず。これもヴィオル族の特徴だ。
小学校の音楽の教科書では、高学年で「弦楽器」が登場する。中学年で登場する管楽器は、「音の違いを感じ取ろう」という項目で取り上げられているのに対し、弦楽器は「色々な響きを味わおう」という項目内で取り扱われている。つまり、弦楽器ならではのハーモニーの美しさを、ぜひ子ども達に味わってもらいたいのだ。初めてオーケストラの演奏を聴いた時に、あの大勢で演奏する音の厚みに感動した人も多いはず。
弦楽器は、音の魅力はもちろんながら、その形だけでも面白いネタが沢山つまっている。まずは子ども達に写真を見せて気がついたことを挙げてもらうことから始めても、充分に興味をもつきっかけをつくれそうだ。