きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
ご当地グルメでまちおこし! 楽しく学ぶ食文化
kyoikujin
2009/9/19 掲載
認定 全国ご当地グルメGP

 皆さんは「B−1グランプリ」というイベントをご存知ですか?
 このイベントのホームページによると、安くて旨くて地元の人に愛されている、地域の名物料理や郷土料理である「B級グルメ」の日本一を決めようというのが「B−1グランプリ」と書かれています。今年はシルバーウィークにあたる、9月19日〜20日の2日間、秋田県横手市で行われ、今年で4回目のようです。

 イベントは、B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会と地元の実行委員会が主催で毎年開催しています。来場客が、各団体から出展された料理を味わい、気に入った料理に「使用後のお箸」を使って投票し、その年のグランプリが選ばれます。
 過去3回の開催地と、グランプリは次の通りです。

・第1回 八戸大会  グランプリ‥富士宮やきそば(静岡)
・第2回 富士宮大会 グランプリ‥富士宮やきそば(静岡)
・第3回 久留米大会 グランプリ‥厚木シロコロ・ホルモン(神奈川)

 チケットの販売(お目当ての料理を確実に食べられる予約)も開始しており、すでに人気料理のチケットは完売しているほど、注目されています。

意外と知らない? あなたのまちの郷土食

 9月6日の朝日新聞の生活面では「郷土食 古文書から復活」という見出しで、ふるさとの味を見直す取り組みについての記事が載っていました。その中で、静岡県袋井市のたまごふわふわという、だし汁に溶き卵を入れて膨らませる伝統料理が紹介されています。記事によると、この料理は江戸中期に書かれた大阪の豪商の道中日記で、現在の静岡県袋井市にあたる袋井宿の献立として出てくるようです。この郷土食のひとつである「たまごふわふわ」も、先に紹介した今年のB−1グランプリに参加予定です。

 さらに、B−1グランプリに出展予定のご当地グルメを見てみると、私の故郷である某県のものもありました。しかし、長年住んでいる私でも、全く聞いたことのない料理名だったので驚きました。身近な地域でもご当地グルメを探してみると新たな発見があり、新鮮に感じられるかもしれません。
 グルメは、食すことだけでなく、その土地の気候や環境条件を調べて季節感を感じ、ルーツを探ると、より味わい深くなるように感じます。

ご当地グルメを食育の一環に

 また、食に関するイベントやご当地グルメの話を食育の一環として取り入れると、子どもたちは楽しみながら伝統や文化にふれられるのではないでしょうか。
 たとえば、B−1グランプリでグランプリを受賞した団体の料理を、学校給食の特別メニューとして、子どもたちが味わうきっかけをつくると生きた学習になります。
 最近は、特別メニューとして、姉妹都市である海外の献立や地元の食材を生かした献立など、工夫を凝らしている学校もあります。
 私はこれまでいくつかの中学校を訪問してきましたが、ちょうど特別メニューの日の給食時間に居合わせたこともあります。その時は3月で、「ひな祭り」に合わせた季節の献立のようでした。給食の準備時間になると生徒による校内放送が流れ、ひな祭りに絡めた献立についての説明が始まり、使用している食材の産地なども紹介していました。給食は食べる楽しみを与えることも食育の一環であると感じますが、食文化などに関心を持つきっかけでもあると思います。特別メニューを活用して、子どもたち自身がそのメニューの背景について調べたり、発表したりすることで、自然と食文化に触れることもできます。

 文化や歴史というと、少し遠い存在に感じたり、難しく考えたりするかもしれませんが、注目されているイベントの紹介やご当地グルメなどを導入に使うと、子どもたちも身近に感じられるのではないでしょうか。

食欲の秋に食育を

 秋はシルバーウィークや3連休など大型連休もあり、気候も過ごしやすくなってきます。食欲の秋にちなんで、食に関するイベントも各地でおこなわれるようです。子どもたちが、旅先や故郷などでご当地グルメを調べてみたり、作ってみたりするきっかけを紹介してあげると、新たな発見に繋がるかもしれません。

 秋が深まるこの時期に、子どもたちが食にまつわる文化や歴史の知識を深められる、身近なツールを探ってみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。